オバマ政権の次期駐日大使がどうやら決まったようです。
どうしても日本軽視の人選に思えてきます。
近年の駐日大使は元副大統領、元下院議長、元上院議員、元学者、ベテラン職業外交官などなど、日本とのかかわりが深い、アメリカの国政あるいは外交で活躍した、実業界で業績をあげた、などという「根拠」や「理由」が明確でした。前大使のシーファー氏にしてもブッシュ大統領のビジネスパートナーで親友というだけでなく、オーストラリア大使をすでに歴任していました。
それとくらべると、今回のジョン・ルース氏は上記のいずれの要件にも該当しません。ただひたすらオバマ氏の選挙の資金を集めてきた、という実績だけなのです。日本に縁なし、外交の経験なし、実業界でも法曹界でも、全米レベルの認知はなし、というふうです。
この人事を中国駐在大使へのジョン・ハンツマン氏任命と比べてください。
ハンツマン氏はまず中国通です。しかも現職の州知事、国政レベルでの活動の実績も豊富なのです。共和党の大物と呼べるような全米レベルで広く認知された人物です。これほど要件や資格の豊かな人物が中国駐在の大使となり、日本駐在はこれまで日米関係でも、アジア政策関連でも、あるいはアメリカの対外政策関連でも、まったく名前の出たことのない未知の人物が選ばれたのです。
さて日本のマスコミの報道を振り返ってみましょう。
ハーバード大学のジョセフ・ナイ教授にもう決まりというのが朝日新聞、読売新聞など日本側メディアの大多数の報道でした。だが、これらの報道はみごとに外れてしまいました。
オバマ大統領に選ばれたジョン・ルース氏、カリフォルニアのシリコンバレーに拠点を置く法律事務所の代表ですが、仕事の実績をみると、古くから民主党の選挙資金調達係としてきわめて重要な役割を果たしてきたことがわかります。

ルース氏は2008年の大統領選挙でもオバマ選対のカリフォルニアでの共同委員長を務め、オバマ候補への政治献金の束ね役として総額50万ドル以上を集めて、寄付しました。
54歳のルース氏には日本とのかかわりの経験も、外交の経験もほぼゼロのようです。明らかに選挙での資金集めの功労を評価された報奨人事のようです。ただし駐日大使としては大統領とのつながりは深いでしょうから、その点は大きな長所であり、強みとなるかもしれません。
日本では多くの人たちが「オバマ政権の駐日大使はジョセフ・ナイ氏だ」という報道をこれまで何度、目にし、耳にしてきたことでしょうか。
この誤報については新たなマスコミ研究の対象とされるべきだと思います。「あの時点ではほぼ決まっていたんだ」式の言い訳は
困りますね。


by kazu-haya
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