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新駐日アメリカ大使はオバマ候補への大口献金者――日本マスコミの予測は外れた

2009/05/20 07:46

 

オバマ政権の次期駐日大使がどうやら決まったようです。

どうしても日本軽視の人選に思えてきます。

 

近年の駐日大使は元副大統領、元下院議長、元上院議員、元学者、ベテラン職業外交官などなど、日本とのかかわりが深い、アメリカの国政あるいは外交で活躍した、実業界で業績をあげた、などという「根拠」や「理由」が明確でした。前大使のシーファー氏にしてもブッシュ大統領のビジネスパートナーで親友というだけでなく、オーストラリア大使をすでに歴任していました。

 

それとくらべると、今回のジョン・ルース氏は上記のいずれの要件にも該当しません。ただひたすらオバマ氏の選挙の資金を集めてきた、という実績だけなのです。日本に縁なし、外交の経験なし、実業界でも法曹界でも、全米レベルの認知はなし、というふうです。

 

この人事を中国駐在大使へのジョン・ハンツマン氏任命と比べてください。

ハンツマン氏はまず中国通です。しかも現職の州知事、国政レベルでの活動の実績も豊富なのです。共和党の大物と呼べるような全米レベルで広く認知された人物です。これほど要件や資格の豊かな人物が中国駐在の大使となり、日本駐在はこれまで日米関係でも、アジア政策関連でも、あるいはアメリカの対外政策関連でも、まったく名前の出たことのない未知の人物が選ばれたのです。

 

さて日本のマスコミの報道を振り返ってみましょう。

ハーバード大学のジョセフ・ナイ教授にもう決まりというのが朝日新聞、読売新聞など日本側メディアの大多数の報道でした。だが、これらの報道はみごとに外れてしまいました。

 

オバマ大統領に選ばれたジョン・ルース氏、カリフォルニアシリコンバレーに拠点を置く法律事務所の代表ですが、仕事の実績をみると、古くから民主党の選挙資金調達係としてきわめて重要な役割を果たしてきたことがわかります。

 

 

ルース氏は2008年の大統領選挙でもオバマ選対のカリフォルニアでの共同委員長を務め、オバマ候補への政治献金の束ね役として総額50万ドル以上を集めて、寄付しました。

 

54歳のルース氏には日本とのかかわりの経験も、外交の経験もほぼゼロのようです。明らかに選挙での資金集めの功労を評価された報奨人事のようです。ただし駐日大使としては大統領とのつながりは深いでしょうから、その点は大きな長所であり、強みとなるかもしれません。

 

日本では多くの人たちが「オバマ政権の駐日大使はジョセフ・ナイ氏だ」という報道をこれまで何度、目にし、耳にしてきたことでしょうか。

 

この誤報については新たなマスコミ研究の対象とされるべきだと思います。「あの時点ではほぼ決まっていたんだ」式の言い訳は

困りますね。

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コメント(25)

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2009/05/20 08:00

Commented by siegfried さん

 何も知らないのなら何もしなくても良い。モンデールのような世迷い事を言われては迷惑千万です。

 
 

2009/05/20 08:43

Commented by 古森義久 さん

siegfried さん

なんとか蛇に怖じず、というのはどこの国のことわざでしたっけ。

 
 

2009/05/20 08:47

Commented by 鈴木 茂 さん

 おはようございます。

 大使の人選だけで、ただちに結論付けることはできないでしょうが、近年の中国経済の成長を見れば、たとえそれが共産党一党独裁の国であっても、経済を念頭に置いた外交においては重視せざるを得ないのでしょう。

 米国は米国の国益で動く国であり、日本の国益は二の次だという当然の行動ですね。
 そのような環境の中で、対米追従と揶揄されることのない、日本の国益をしっかりと認識した、日本の意思を明確にした主張する外交、日米同盟を再構築する必要があるようです。
 主権国家日本を主張することが、時として、主権国家米国の国益を損ねるとしても、それは必ずしも反米ではないでしょう。もちろん、両国の国益に資するに越したことはないですが。

 中国についても、反中だけでは、世界経済から置き去りにされかねないようです。
 だからと言って、共産党一党独裁の非民主性からは目をそむけてはいけないのでしょうが。

 米国とは自由と民主主義を前面に掲げつつも、その実態は、経済至上主義の国なのではないでしょうか?

 
 

2009/05/20 08:49

Commented by その蜩 さん

金集めのプロということでしたら、日本でカネを集めてこいというのが、氏に課せられた任務なんでしょうか。

 
 

2009/05/20 08:55

Commented by 古森義久 さん

鈴木 茂 さん

今日はお天気がいいから、雨ではない。
でもお天気はよく変わるから、いちがいにこうだとは結論付けられない。

こんな記述と同じことを書いて、気持ちがよくなるなら、しあわせですね。

 
 

2009/05/20 08:55

Commented by リップンチェンシン さん

>54歳のルース氏には日本とのかかわりの経験も、外交の経験もほぼゼロのようです。明らかに選挙での資金集めの功労を評価された報奨人事のようです。ただし駐日大使としては大統領とのつながりは深いでしょうから、その点は大きな長所であり、強みとなるかもしれません。


要するにどうでもいい人事なんですね。話だけは聞いてくれそうですが、機嫌を損ねてしまうと何をしでかすかわからない。ホント、なにもしないで、
在任中は日本観光にのみ熱を上げていてくれればいいです。

 
 

2009/05/20 10:17

Commented by legolas1453 さん

私は正直、落胆しています。
と言いますか・・・

誰ですかこのハゲは!!

全く知らない人物です。

下馬評通りに、ジョセフ・ナイ氏が着任していれば、ライシャワー氏のような学者大使になるので、歩調は合わずとも、日米関係の実務面での進展を期待していたんですが・・・。

さらにショックなのが、論功行賞人事と言う事です。

オバマは恩人ケリーも政権に登用せず、もう一人の恩人ダシュルも守らずと言うように非常に冷酷とも言える実利重視の男だと思っていたのですが・・・。

 
 

2009/05/20 10:17

Commented by 故郷求めて さん

このような速報は、記者ブログならではのものでしょうね。さて、産経紙面に載るのは明日ですか?楽しみにしています(本気で)。

今日も与党への政策批判をせず、野党の政局報道に明け暮れている産経新聞にはちょっとがっかりしています。

 
 

2009/05/20 10:24

Commented by その蜩 さん

To legolas1453さん
逆に言えば日本外務省お得意の接待漬けにして日本側に抱き込めると思いますよ。
昔、中国では有能な外交官は冷遇し、凡庸な人物なら厚遇したと言いますし。

実はこれまでは隠れた人材で、すごい切れ者だったら困りますけどね。

 
 

2009/05/20 11:58

Commented by leny さん

オバマ氏個人と言うよりも、古くからの民主党の選挙資金調達係なんですね。おそらく、政治的な実績はないにせよ、民主党内での人脈と信頼は大きい方なのでしょう。

シリコンバレーで法律事務所を開いていると言う事は、IT関連企業の法律顧問として、税制や雇用の問題にも精通されている方なのではないでしょうか?また、その部分での顔の広さが選挙資金調達力の源泉のように思います。

ご本人が希望したかは分かりませんが、少ない情報から類推すると、アメリカの新しい産業(IT)を背景にしたタフネゴシエーターが、駐日大使と言う立場で情報収集に来た、ってイメージですね。恐らく、あとからシリコンバレーの企業群が付いて来ると思いますw

 
 

2009/05/20 12:03

Commented by leny さん

と、言う事で、駐日大使を踏み台に政界進出も考えている方かも知れませんし、軽侮することなく、我が国の「IT産業における法的制度の師匠」くらいの位置付けで歓待し、通産省あたりで取り込んじゃうのが良いと思います。

もうちょっと詳しい背景を知りたいところですけどね。

 
 

2009/05/20 12:19

Commented by economist さん

古森様
昨年末、来日した際の講演で、ジョゼフ・ナイ教授は、アメリカのソフト・パワーの次は、スマート・パワーだと論じていました。世界の人々を感激させるオバマの演説もスマート・パワーだそうで…。学者といっても日本研究のライシャワーと違い、理念的な内容が多く、日本のマスコミには受けても、大使として大丈夫かと思っていました。無名でも新大使のほうが少しは期待できると思いたいのですが…。

 
 

2009/05/20 12:48

Commented by 鈴木 茂 さん

To 古森義久さん
>鈴木 茂 さん
>
>今日はお天気がいいから、雨ではない。
>でもお天気はよく変わるから、いちがいにこうだとは結論付けられない。
>
>こんな記述と同じことを書いて、気持ちがよくなるなら、しあわせですね。

 
 私には難しいことはわからないが、気持ちがよいということと幸福であるということは、直結しません。
 まさに、一概にこうだとは結論付けられない。ようです。
 
 あしからず。

 
 

2009/05/20 12:54

Commented by Shah亜歴 さん

>>日本とのかかわりの経験も、外交の経験もほぼゼロのようです。明らかに選挙での資金集めの功労を評価された報奨人事のようです。ただし駐日大使としては大統領とのつながりは深いでしょうから、その点は大きな長所であり、強みとなるかもしれません。

駐英大使にはこうした人物が多いので、選挙の功労者が駐日大使に任命されるのは「日本の格上げ」なのでしょうか?

 
 

2009/05/20 12:56

Commented by 古森義久 さん

economist さん

自分、あるいは自分たちが一定の目標に向かって注ぐ力を最初から自分でスマート・パワーだと宣言するような人たちを尊敬とか、信頼できますか。
私には難しいです。

 
 

2009/05/20 13:00

Commented by 古森義久 さん

ShahAlexander さん

アメリカの駐英大使には確かにそうした人選がよくあったようですが、古くはジョン・ケネディの父親のように、全米レベルで名の知られた人物が多いですよね。あるいは軍人で位をきわめた人とか。

 
 

2009/05/20 13:01

Commented by 花うさぎ さん

古森さん こんにちは。

今頃になって駐日大使を決めるって、人選と言い、時期と言い、日本軽視はご指摘のように明らかです。

日本にとって、やはり民主党大統領とは相性悪いと実感しますが、ひょっとするとオバマは最悪になるかも知れません。

 
 

2009/05/20 13:18

Commented by hk2009 さん

1)今秋の衆院選について米国はどんなふうに予想しているのでしょうか? (個人的には麻生政権は賢明だと思っておりますので続投してもらいたいのですが。。。少し恨み事めいたことを申せば、産経新聞のWebを他の記者の方の記事も含めてずっと拝読しておりましたが、最初の頃は麻生首相に対してややトゲのある記事扱いだったように記憶しております。去年の12月末頃から友好的な扱いに変調した様に印象を持っています。)
2)「IT関連の企業法務」から連想しますのは1990年代のインターネットブームの頃から2000年頃のドットコム・バブルの頃の経済現象ですが、もしかしたらアメリカIPv6移行需要などによる景気上昇を見越しているのでしょうか?
3)日経BPのSafty Japanの大前さんのコラム
http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/a/149/
http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/a/150/
と古森さんのコラムの第28回を拝読しますとICT関連産業活動も安全保障の側面からは意味がある、ということでしょうか。
4)麻生首相訪米時の日本国内報道
http://sankei.jp.msn.com/world/america/090226/amr0902261833015-n1.htm
を拝見しましたが、麻生首相が昼食会でどんな内容の話をしたのかご存知の方、シェアーしていただけたらと存じます。
プロンプターの話
http://sankei.jp.msn.com/world/america/090309/amr0903091741006-n1.htm
と書評記事
http://sankei.jp.msn.com/world/america/081130/amr0811301053000-n1.htm
を併読しますと「オバマ政権外交政策のゴーストライターと昼食会をした」ように受け取れるのです。

 
 

2009/05/20 13:33

Commented by 古森義久 さん

hk2009 さん

米国が衆院選をどうみているか。
米国と一言でくくると、そのあとがなかなか続きませんね。

オバマ政権のことなのか、日本研究者たちのことなのか、議会関係なのか。

いずれにしても、民主党が政権をとっても、あまりあわてないような姿勢はとっていると思います。

 
 

2009/05/21 06:25

Commented by iza-ryusoo さん

古森義久 さんへ
>54歳のルース氏には日本とのかかわりの経験も、外交の経験もほぼゼロのようです。明らかに選挙での資金集めの功労を評価された報奨人事のようです。ただし駐日大使としては大統領とのつながりは深いでしょうから、その点は大きな長所であり、強みとなるかもしれません。<

 とりあえず、いいように判断しておこうと思います。貴台がかねてから憂慮しているように、受け入れ側に「依存と追従」というこれまでの行き方以外に自前の戦略があるわけではないのですから。

 
 

2009/05/21 06:44

Commented by omodaru さん

古森さん こんにちは

シリコンバレーの弁護士って事は
アメリカにとって有利になるような
日本の貿易上の問題点でも
調べにくるんでしょうかね?

それがオバマの日本と言う同盟国に対する
扱い方なんですね。

 
 

2009/05/21 08:24

Commented by アパポン さん

古森様

いつもサイトで貴重な情報ありがとうございます。
John Roos氏が駐日米国大使になられるとのことシリコンバレー法律事務所出身と聞き調べてみましたら少しびっくりしましたがなるほどなーと思いました。

ご存じのようにRoos氏はスタンフォード出身でWilson Sonsini CEOつまりバリバリビジネスマンです。
小生が2000-2003年シリコンバレーでベンチャー企業を追いかけていた頃、IPO寸前の会社はほぼWilson Sonsini が絡んでいました。この会社が凄いのは法律事務所ですが自らfundを持ち積極的に大手VC,PEと共に投資を行っていました、インサイダーぎりぎりですが西海岸はIPOの為なら何でもありなので......

小生的には彼が着任と東京周辺(ACCJ?)は少し面白くなりそうだなという気がします。(あくまでビジネスレベルです、政治問題はまったく分かりませんが)

乱文失礼します。

 
 

2009/05/21 08:30

Commented by アパポン さん

補足です

John Roos '80: Lawyering To Silicon Valley's Elite
http://www.law.stanford.edu/publications/stanford_lawyer/issues/72/JohnRoos.html

ルース氏は間違いなくSV親分の一人です、今は日本知識が少なくても?1ヶ月後にはマイスターになっているでしょう(あくまでビジネスですが)。

 
 

2009/05/21 12:46

Commented by 古森義久 さん

omodaru さん

オバマ政権全体としての日本の扱い方はこの人事に象徴されているようですね。

 
 

2009/05/21 12:47

Commented by 古森義久 さん

アパポン さん

おもしろい情報をありがとうございます。

 
 
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