NHKスペシャル「シリーズ・JAPANデビュー」の第一回、「アジアの"一等国"」がどのように作られたのか。
本日発売の雑誌『正論』8月号におもしろい記事が掲載されています。NHKの職員の方による内部の実情報告です。
筆者は匿名ですが、ご意見の発表は私以外はほぼ全員が匿名のこのブログでの紹介がちょうど適切かもしれません。
冒頭部分だけを紹介します。残りは雑誌をごらんください。
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現役職員が匿名告発!
こんなに杜撰だったJデビューの制作現場
NHK放送総局職員X
準備不足で"突貫"制作
あの番組―NHKスペシャル「シリーズ・JAPANデビュー」の第一回、「アジアの"一等国"」が放映されたのは四月五日の夜でした。新生NHKを象徴する番組として鳴り物入りでスタ下トした大型ドキュメンタリーでしたが、親日の台湾を反日と印象づける一方的な内容だったことは、今さら言うまでもないでしょう。
NHK内部でも疑問の声が多く、放送直後から各職場で「これ、やばくない」「やりすぎだよ」といったささやきが漏れました。案の定、視聴者コールセンターには抗議の電語やメールが殺到。その数は三千件を超え、NHKが最もカを入れるNHKスペシャルとしては、前代未聞の抗議の嵐となったのです。
私自身、番組づくりで外部の有識者や専門家らと話をする機会が多いのですが、「NHKはどうしちゃったの」などと何度も言われました。
何故、あんな番組をつくってしまったのかー。「日台関係を離間させるつもりか」とも、「中国共産党の宣伝工作の片棒を担ぐのか」とも批判されましたが、私の知る限り、そんな大層な目論見があったわけではありません。ディレクターの意識の低さと取材のお粗末さ、上層部のチェックの甘さという、極めて次元の低い問題でした。要するに、いい加減だったのです。
そもそもこの番組は、じっくり練られたものではありませんでした。相次ぐ不祥事発覚で、二十年ぶりに外部から福地茂雄氏(元アサヒビール会長)がNHK会長に招聰されたのが昨年一月。この会長の下で、目に見える改革方針を打ち立てなければと新経営計画が策定されたのが昨年十月。
大型番組の制作を謳ったこの経営計画に基づき、プロジェクトが本格化したのが今年一月ごろ。以後、わずか三カ月余りで第一回「アジアの〃一等国〃」は放送されました。
NHKは六月十七日、批判に対する説明をホームページに掲載し、その中で「日本統治五十年を記録した二万六千冊の『文書』を丹念に読み解いた』などと説明していますが、明らかに嘘です。どんなに手分けしても、その百分の一の文書も読み解けなかったでしょう。せいぜい、背表紙を数えたりパラパラめくった程度だったはず。準備不足のまま"突貫工事"でつくられたのが、あの番組でした。
番組を直接制作したディレクターは以前、大戦末期の台湾航空戦に関するドキュメンタリーを手掛けたことがあり、台湾について全く無知だったわけではないようです。とはいえ、台湾の事情に精通していたとも聞きません(精通していたらあんな番組はつくらなかったでしょう)。
聞くところでは、スタッフら関係者が熱心に読んでいたのは小林よしのり氏の「台湾論」ぐらいで、そのマンガ本は今もプロジェクトルームの本棚にあります(もっとも「台湾」とは似ても似つかない番組でしたが)。
PDは恣意的編集の常習犯
このディレクターには、何でも自分が決めたとおりでないと気が済まない、思い込みの激しいタイプだとの悪評が以前からありました。
ドキュメンタリーには、構成表というのがあります。映画やドラマの台本のようなもので、まず粗構成(粗い筋書き)をつくり、それに沿って取材や撮影が進められます。当然、実際の取材にはハプニングがつきもの。想定した構成と現実が全く異なっていたり、識者のコメントが見当外れだったりすることは頻繁にあります。
そんな時には構成を修正し、現実に即した番組にしていくのが一般的なのですが、彼はそれを嫌い、最初に決めた筋書きに拘泥する傾向がありました。
一躍「時の人」となったNHKの濱崎憲一ディレクター
(以下、略)


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