日本の戦争といえば、日本人でありながら、あの戦争で戦った日本人の行動はすべて悪いことだったかのようにけなし、あざける「反日」傾向は、いまもなお一種のファッションのようです。
残虐行為などの戦争犯罪を非難するのは当然でしょうが、同じ日本人の父や母たち、祖父母たちが不幸にして戦うことになった敵国の攻撃から自国の領土や利益、自国民の生命を守ろうとしたこと自体を非難する傾向は、自分の人間としての拠って立つ基盤をどこにおくかということにまでかかわってきます。
このような戦前の日本と日本人、戦中の日本と日本人を現代の同じ日本人が「悪」扱いすることに、反発を感じてきた一般の日本国民が意を強くするだろうなと感じさせられる書に会いました。
『終わらないラブレター』
祖父母たちが語る「もうひとつの戦争体験」
桜林美佐著
PHP研究所刊
著者のジャーナリスト桜林美佐さんは39歳という完全な戦後世代です。
この書では日赤看護婦、氷川丸船員、沖縄の村民、東京大空襲の被災者、特攻隊員など方々の戦争体験が同じ日本人としての温かい視点で伝えられています。
著者の基本的スタンスは「あとがき」の以下の記述からもよくわかります。
「日本が突き進まざるを得なかった道の行く手には、あまりに多くの同胞の死と、甚大な本土の被害があった。しかし、それをして『暗い時代』と私たち後世の者が勝手に判断を下すのは避けるべきだろう。私たちにはそんな資格も権限も与えられていない。むしろ、この時代の先人たちが、その生命を国家に捧げてまで、後に続く世代に託したものをこそ、私たちは尊重するべきではないだろうか」
「こうしたことを『戦争美化』であるとして、『戦争は悲惨だ』『二度と繰り返さない』だけを連呼するのであれば、それは歴史の継承ではなく、政治運動に他ならない」



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