<< 2009年12月
123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031

オバマ演説の「正義の戦争」を朝日新聞は見出しに出さなかった

2009/12/12 06:53

 

 オバマ大統領のノーベル平和賞受賞演説の報道を日米両方の新聞で、みて、おやっと思いました。

                ノーベル平和賞授賞式で賞状とメダルを手にするオバマ米大統領=10日、オスロ(ロイター)

 

 

 アメリカの大手紙はみな「正義の戦争」「正しい戦争」を見出しに大きくうたっていました。ところが朝日新聞は主見出しで「正義としての平和」と、逆を打ち出していたからです。

 

 オバマ大統領アフガニスタンでの戦争に米軍3万の増派を決め、戦争の遂行と拡大の施策を明確にしながら、その同じ時期に「平和賞」を受け取るという矛盾をみずからの演説のなかで認めて、自己の立場を弁護していました。

 

 オバマ演説には次のような部分がありました。

 

 「私たちは、自分たちの人生のうちには暴力的な衝突を除去できないという冷徹な事実をまず認めることから始めねばならない。各国が個別でも集団でも、武力の行使が単に必要なだけでなく、道義的にも正当化される場合があるのだ」

 

 「ときには軍事力だけが不正を解決し、市民を保護できる。この世界には悪が存在するのだ。武力がときには必要だと述べることはシニシズムの対象とはならない。武力がときには必要なことは歴史の認定であり、人類の不完全さ、理性の限界でもある」

 

 要するに正義のための戦争がある、という認知でした。

 平和を守るためには軍事力を行使することも必要であり、正当化されるのだ、という主張でもあります。

 

 ところが朝日新聞の同じオバマ演説についての記事をみると、

主見出しは「正義としての平和めざそう」となっているのです。

アメリカの新聞が主見出しとした「正義の戦争」という表現は見出しにはまったくありません。

 

 朝日新聞の本文の書き出しは以下のようでした。

 

 「オバマ氏は受賞演説で、アフガニスタンイラクでの戦争の現実的な必要性を説く一方、武力に頼らない平和という理想を捨ててはならないとも強調」

 

 しかし実際のオバマ演説は単にアフガニスタンでの戦争に留まらず、歴史をずっとさかのぼっての戦争一般の必要性、正当性、そして正義や大義までを強調したのです。朝日新聞の報道ではこのへんの現実は極端に矮小化され、ほぼ無視に近い扱いとなっています。これを偏向報道と呼ぶのでしょうか。

 

 日本の一部のマスコミの国際報道だけを読んでいると、国際情勢の現実がわからなくなるという教訓の一例といえましょうか。

 

 朝日新聞の場合、「ときには戦争は必要であり、正当化される」

というオバマ氏の言葉を正面から取り上げると、日ごろの「戦争はいかなる場合でも否定されねばならない」という持論が崩れかねない、ということなのでしょうか。

カテゴリ: 世界から    フォルダ: 指定なし

コメント(20)  |  トラックバック(2)

 
このブログエントリのトラックバック用URL:

http://komoriy.iza.ne.jp/blog/trackback/1363861

コメント(20)

コメントを書く場合はログインしてください。

 

2009/12/12 07:39

Commented by 花うさぎ さん

古森さん おはようございます。

普通、このようなケースは「今日も朝日は正常運転…」と呼ぶそうですよ(^^;。

 
 

2009/12/12 08:30

Commented by 古森義久 さん

花うさぎ さん

なるほど、なるほど。

ところで、おはようございます。

 
 

2009/12/12 08:48

Commented by thinking さん

>日本の一部のマスコミの国際報道だけを読んでいると、国際情勢の現実がわからなくなるという教訓

 本当に、そうですよ!
 僕の家で取っている、北海道新聞の国際報道をいくらマジメに読んでも国際状況、国際情勢はわかりませんでした。 これは僕の頭に何か欠点があるのではないかと、本当にそう思ったのでしたが、産経新聞を読み始めてから、少しずつ世界の事が分かり始めました。 古森様の「中国の真実」という本を初めとして、古森様の著書などによって、世界や近隣諸国の真実の恐ろしさが明白に感ずる様になりました。

 
 

2009/12/12 09:06

Commented by tenmondai さん

古森様
おはようございます。
朝日新聞に限らず日本のマスゴミはどこも似たようなものではないですか?
最近は、ネットで確認するまで信用しないことにしています。周りの友人からは、ちょっと変わった人みたいに見られていますが・・・・。

 
 

2009/12/12 09:29

Commented by siegfried さん

 チョウニチの歪曲捏造記事は伝統で今に始まったことではないので驚きもしません。
 話変わってちょっと痛快だったのは、古森先生の記事だったと思いますが、鳩ポッポの外交ブレーン気取りの寺島某が、ホワイトハウスに全くシャットアウトだったこと、それどころか米政府の誰にもあえず、日本人とだけ話して帰って行ったことです。「それ見たことか」と快哉を叫びました。あんな小物が識者ぶってテレビでコメントすることは片腹痛い。と言っても昨今テレビで取り上げられるコメンテーターと称する連中は不景気のせいか皆ギャラの安そうな小物ばかりで、見る気もしません。韓流ドラマや台湾ドラマを見ている方が不快な思いもせず、よほど暇つぶしになります。

 
 

2009/12/12 10:36

Commented by weirdo31 さん

12月12日付け産経の主張「オバマ受賞演説 対テロ戦争の場に変えた」がオバマの真意を明らかにしています。長くなりますが中断以降にすべてが語り尽くされています。

(引用開始)
日本でオバマ大統領といえば、4月のプラハ演説によって、核廃絶を目指す「平和の司祭」と受け取られていた。

しかし、武力行使を伴わない外交戦略には、(1)法律戦(2)世論戦(3)心理戦-の3つが含まれている。法的な優位を獲得した後に、世論を啓発し、自国の利益に引きつける。大統領の核廃絶という理想主義のウラには、国際テロリストへの核流出や拡散を防ぐ狙いがあったことに気づくべきだ。

さらに、中国の「核兵器増強」への牽制(けんせい)、核拡散防止条約(NPT)体制の維持-も含まれ、国益に基づく緻密(ちみつ)な計算があった。その意味で、4月のプラハ演説と今回のオスロ演説の間には表現の違いだけで何の矛盾もない。

プラハ演説はまず、米国の道義的責任をうたい、「核なき世界」を目指すとして倫理的な優位を巧みに印象づけた。だが、真意はその次にくる。「核兵器が存在する限り、いかなる敵であろうとこれを抑止する」とし、「規則を破れば必ずその報いを受ける制度を構築する」と織り込んだ。

鳩山由紀夫首相のように、オバマ発言をもって、彼が「平和主義の司祭」であると考える人はよほどの楽天家である。首相が行うべきは、日米の共通利益と互いのコストをはじき出すことである。(引用終わり)

我が国で唯一のオピニオン紙と西尾幹二氏に折り紙をつけられた産経の面目躍如たるものがあります。

 
 

2009/12/12 10:40

Commented by weirdo31 さん

上の投稿でミス転換がありました。

  X 中断 → ○ 中段

失礼しました。

 
 

2009/12/12 11:08

Commented by abusan123 さん

朝日新聞の「恣意的捏造記事」は今日に始まった話しでは
無いですからねぇ(^_^メ) 10月1日の社説一つ取っても
朝日新聞が如何に「ジャーナリズムの敵」であるか解りますね。
産経新聞読者には織り込み済みの行為です(^_^メ) > 朝日記事

産経新聞社はこういう新聞に舐められてはいけません。

 
 

2009/12/12 11:11

Commented by sutcliff さん

古森記者はじめまして。お初にトラックバックさせて頂きました。

朝日の捏造体質は今に始まったことではありませんが、今回のはまた酷いデッチ上げですね。(peaceに対する“as justice”って修飾は、いったいどこから持ってきたんだ?ってのw)

新聞が「自説に都合の悪いことはスルーして無かったことにする」のは往々にしてあり、これに関しては読売さんや産経さんといえど、朝日とは逆の立場から同じことをやる場合もある、というのは認めねばなりません。
ですが「当人が言ってもいないことを“言った”と書き換える」ってのはジャーナリズムとしてどうよ?って思う訳です。

 
 

2009/12/12 13:25

Commented by 古森義久 さん

thinking さん

産経と私へのおほめの言葉、ありがとうございます。

 
 

2009/12/12 13:26

Commented by 古森義久 さん

tenmondai さん

そりゃあ、似たところも多いけれど、違うところも多々ある現実をみてくださいよ。

 
 

2009/12/12 13:28

Commented by 古森義久 さん

siegfried さん

ご指摘の寺島氏についての記事も、このブログで紹介したいと思っています。

 
 

2009/12/12 13:30

Commented by 古森義久 さん

weirdo31 さん

この世界には平和より大切なものが存在するという考え方をする人たちが多数派であること、ベトナム戦争体験のころから私は実感してきました。

これは危険思想でもなんでもありません。

 
 

2009/12/12 13:32

Commented by 古森義久 さん

sutcliff さん

初めまして。

産経も私も、みずからを厳しく律しなければなりませんね。

TBも拝読しました。

 
 

2009/12/12 14:20

Commented by abusan123 さん

読売新聞でも確認してみました。
件のオバマ発言は正確に伝えられている様です。

如何に朝日新聞記事が噴飯モノの代物であるかを
示して居る様ですなあ┐(´д`)┌ ヤレヤレ
よもや読売新聞すらこの発言を無視するか、ましてや
歪曲記事を書く様だったら本当に日本の新聞業界の
堕落による危機かと思いましたが(^_^メ)

結局は朝日新聞等「新聞擬き(もどき)」の
捏造記事であったのは成りよりです(^_^メ)

当然でありますが、産経新聞は朝日新聞の愚行を
他山の石としてジャーナリズムの道を邁進しなければ
なりません。

 
 

2009/12/12 14:28

Commented by iza777 さん

古森さんこんにちは。
"師走"を誤解されている与党議員の方もいらっしゃるようですが(笑)寒さ増す季節にて、お身体には気を付けて下さい。

さて、本日の産経抄。哲学者・田中美知太郎氏著書『今日の政治関心』の一節に触れておられました。~『平和というものは、われわれが平和の歌を歌っていれば、それで守られるというものではない』さらに続けて『いわゆる平和憲法だけで、平和が保障されるなら、ついでに台風の襲来も、憲法で禁止しておいた方がよかったかもしれない』と言う。戦後日本のあまりにも現実離れした「平和主義」をこれほど的確に、しかも皮肉たっぷりに批判した論はなかった。~大変勉強になりました。

そして、「鳩VS鳩:自分自身を追求 ネット動画話題」の記事も痛快でした。こういう記事の切り口は、新聞離れしている(と言われる)人々にも多くの反響を呼ぶと思います。

そしてこれは"言わずもがな"ですが…。

某局
http://www15.atwiki.jp/houdou/m/plugin/ref/?guid=on&serial=6&w=600

某誌9/18号
http://teitoku.sakura.ne.jp/cg/GJ200905/20090918%5B1%5D.jpg

同誌12/18号
http://publications.asahi.com/syukan/nakazuri/image/20091218.jpg

 
 

2009/12/12 14:47

Commented by 古森義久 さん

abusan さん

読売新聞はそこまで歪曲する必要性をみずからに見出さないということでしょうか。

 
 

2009/12/12 14:49

Commented by 古森義久 さん

iza777 さん

かつて「日本の平和憲法を世界に輸出しよう」という声がありましたね。

自国の価値観を他国に押し付けてはいけないんでしたよね。たしか。

 
 

2009/12/13 00:28

Commented by abusan123 さん

To 古森義久さん

>読売新聞はそこまで歪曲する必要性をみずからに見出さないということでしょうか。

そうですね(^◇^;)
主筆の渡辺恒雄氏としては社会主義者としての「左翼政治」は
目指すが、毛沢東主義的な「独裁的共産主義」には与しないと
言う考えなんでしょう(^_^;)

読売新聞が売れる理由に「現実主義な記事」が有るものと
思われ、現実主義は産経新聞の方針の一部でも有ると
見ます。

そういった観点からも朝日新聞の記事は異常であると
言うしか有りません┐(´д`)┌ ヤレヤレ

 
 

2009/12/13 11:34

Commented by sudachi さん

古森様、

更新お疲れ様です。
朝日が鳩山を攻撃したいのだけれど、躊躇している様が伺える、面白い記事がネットで話題になっています。
http://www.asahi.com/special/09006/TKY200912120282.html

これは鳩山が12日、東京・立石の立石仲見世商店街で記者団に語った中の問題発言です。朝日のフォーマットが異常です。26行、改行無しで、びっしり鳩山の言葉で右から左まで埋めています。とても読んでもらいたくなさそうです。鳩山に取っては、脱税は問題ではない、他人事と言う事なのでしょう。反省が全く見られない男です。以下,核心部分です。

「税金を国に納めるくらいならその一部をこういう暖かい施設のためにボランティアでがんばっている人たちのために支援しよう、そういうことをやってみたいと感じました。」

 
 
トラックバック(2)

2011/06/15 10:46

Letter to Friend Reading Niebuhr [The Iza! Blogの異視点]

 

ラインホールド・ニーバーを読んでいる友への手紙 ラインホールド・ニーバーが20~30年代に書いた様々な定期刊行物を読んでいた友は不正に対するニーバーの感性とその当時に暴露された不正事件についての詳しい知識…

 

2009/12/12 11:03

百億のウソと千億のデマ【朝日新聞】 [たったひとつの冴えぬ気まぐれ]

 

オバマ大統領がオスロで行ったノーベル平和賞の受賞演説で、「時には武力も必要だ」と戦争容認とも取れるような発言をしたことで、世界中(?)の各界(左巻き限定?)から、失望や憤りの声が上がっているそうです。 やれ…