以前にも取り上げたことのあるテーマです。
日本の政治はこれから二大政党制に向かっていくのか。
アメリカの二大政党制に近づくのか。
このテーマについてアメリカ側の政治学者の見解を主に記事を書きました。
ところでワシントンはいま(2月5日夜)現在、記録破りとなりそうな大雪です。どこも真っ白な雪世界、連邦政府機関をはじめ、ほぼすべての組織が閉鎖となり、大雪対策の作業班だけが必死に働いています。

【緯度経度】ワシントン・
古森義久 米国の政治、より身近に
2010年02月06日 産経新聞 東京朝刊 国際面

日本の政治ももしかすると
二大政党制へとはっきり向かうことになったのかもしれない。
現状が健全な政権交代をともなう二大政党競合の始まりなのかもしれない。
いや決してそうではないという見方ももちろんあろう。
だがいまの政治の構図が戦後の日本の歴史では
二大政党制に最も近づいてみえるとはいえよう。
二大政党制といえば、やはり
米国である。
米国ほど主要二政党が交互に政権を獲得しあうという競合システムが確立している国は世界にない。
共和党と
民主党という二大政党が統治を競いあう政治メカニズムは米国ではもう200年ほども機能してきた。
米国の識者たちは自国の
二大政党制を誇りや畏敬(いけい)の念をこめて語る。
「二大政党システム」というのは「アメリカン・ウエー・オブ・ライフ(
米国的な生き方)」という概念ほどに世界に冠たる存在だという示唆をこめて論じるのだ。
その効用の一つは「一つの政党が統治し、もう一つの政党が監視するというのがベストの政治システム」(1890年代の米国下院トーマス・
リード議長)と表現される相互浄化の作用だという。
では日本の政治の現状をこの
二大政党制という観点で
米国側からみると、どうなるのか。
日本の政治を30年も考察してきたユタ大学の
ロナルド・レベナー政治学教授に聞いてみた。
「
米国の
二大政党制は
イギリスとも微妙に異なり、全世界でも最も異色で、問題点も多いが、日本もいまやこの種の真の
二大政党制へと進む可能性が生まれてきた。だがそのための条件はまず第1にいまの民主党政権がこんごの3年ほどの統治で成功を果たすことだ。日本が直面する主要な課題に正面から取り組み、一応の成果をおさめねばならない。第2には、
自民党がこんご分裂せず、現在の団結を保っていくことだ。いずれも大きな条件であり、その達成は容易ではない」
きわめて常識的な考察だろう。
レベナー教授はさらに日本の比例代表制が
公明党や共産党の存続を可能にし、真の
二大政党制の実現を阻みうるという点をも指摘した。
しかし
米国の
二大政党制の最大特徴の一つは両党間の明確な政策の差である。
ごく簡単にいえば、
民主党が公的な資金や規制の民間へのより大きな適用を主眼とする「大きな政府」策であるのに対し、共和党は政府の役割を抑え、民間の自主性を奨励する「小さな政府」策である。
この政策の違いはオバマ政権がなお必死で推す
医療保険改革案への賛否や福祉一般、税制のあり方論議にも明確な区分を画す。
日本の民主党、
自民党の間でも最近は政策の相違や衝突が顕著となったようにみえる。
だがこの点はレベナー教授は即座にノーの診断を下した。
「日本の民主党はいま『ばらまき支出』のために『大きな政府』すぎると
自民党などから批判されるが、
自民党政権の過去の農業への巨額の補助金や高速道路とか橋の建設など大規模な公共事業を想起すべきだ。安保政策でも
民主党は過去の社会党などにくらべれば
自民党にずっと近い。鳩山政権の政策の方向はまだまだ不明の領域が多い。両党の間の政策の差はまったく不明確であり、両党とも支持は日本社会の同じような中間層を重複して主体としているといえる」
レベナー教授は日本の民主党が政策面でまだまったく一貫性がないという点をも強調し、
自民党政権との共通項も多いと指摘するのだった。
そうなると日本の政治が
米国式の
二大政党制へと向かう見通しも高くはないということにもなってくる。
とはいえ日本の政治が従来よりは米国の政治との類似点を増したことは否定できない。
そうなると米国の政治が日本の政治にとってより身近の存在となり、
米国政治での諸現象も日本への意味が改めて注視されることにはなるだろう。
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by 小野まさ
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