中国や日中関係について実におもしろい本を読みました。
「おもしろい」というよりは、「貴重な」と表現した方が正確かもしれません。
『中国に夢を紡いだ日々 さらば「日中友好」』という新刊書です。
筆者は長島陽子氏、長年、岩波書店の社員として編集や校正を手がける一方、1950年代から「日中友好」運動に加わった中国との交流の大ベテランです。
出版元は論創社です。

内容ですが、同書の帯では長島氏自身が以下のように書いています。
「かつての私は新生中国に魅せられ、良くも悪くもリアルな目で中国を見ることができなかった。『人民民主主義共和国』という中国のおこなうことは多少の誤謬があっても、発展途上にあるのだと信じる、まさに『折り紙つきの中国派』であった。その私が、今やすっかり醒めた目で中国を見るようになっている。どうしてそうなってしまったのか、その経緯を私なりに検証してみることで、自分と中国との関係を考えてみたいと思った(『まえがき』より)」
いわゆる日本の左翼の側に身をおき、中国との友好の運動や活動に情熱を注いだ長島さんがやがては「さらば、日中友好」「幻想の日中友好」という態度になっていく。その半世紀以上にわたるプロセスが実体験を基に、うまくまとめられています。
自他ともに「折り紙つきの親中派」とみなされた長島さんがなぜ中国との友好に訣別すると宣言するにいたったのか。ごく簡単にいえば、中国共産党独裁の実態を身をもって知ったから、ということなのでしょうか。しかし長島さんの中国の一般の国民に向けるまなざしはあくまで温かいものとして映ります。
長島さんは「あとがき」で次のようにも書いていました。
「民主党の真の実力者である小沢一郎氏が、100人もの日本人を連れて訪中した折、胡錦涛に対し、あたかも冊封国家の使者が皇帝に朝貢するときのように、揉み手をせんばかりに挨拶した姿が、私にはどうも気にかかる」
この書やその小沢一郎氏は彼が率いた媚中訪問団の方々にぜひ読んでもらいたい内容に満ち溢れています。
中国というのがどんな国家なのか。
共産党の独裁体制の指導者たちがどんな実像なのか。
中国とはそもそも日本にとってどんな国家なのか。
以上の諸点への答えがこの『中国に夢を紡いだ日々』に記録された長島陽子さんの半世紀にわたる中国との交流の実体験からなまなましく迫ってきます。


by izatoru
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