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日米間の離婚が子どもをめぐる摩擦を生む

2010/03/21 02:50

 

 アメリカと日本の間には、こんな対立もあるのかと痛感しました。

 

アメリカ議会下院外交委員会の17日の公聴会でのことです。

 

共和党のクリス・スミス議員が日米間の国際結婚で子供が生まれてから離婚となり、主に日本人の母親がその子供を米側裁判所の裁定を無視して日本に連れ帰ったというケースを「国際的な子供拉致」として非難したのです。

 

スミス議員は現在、日米間でそうした例が100件以上もあるとしており、日米間の新たな摩擦の原因となる気配も生まれてきました。

 

スミス議員といえば、中国の人権弾圧やアメリカへのサイバー攻撃を取り上げて非難し、日本に対しては好意的な態度をみせることの多い政治家です。

 

そのスミス議員が結果として日本を非難するような内容の言明をきわめて険しい口調でしたので、驚きました。

 

下院外交委員会の小委員会が開催した日米関係についての同公聴会で共和党側の有力メンバーのスミス議員は、以下のような実例をあげました。

 

アメリカ人男性のパトリック・ブレイデン氏は日本女性と結婚して娘が生まれた後に離婚し、ロサンゼルス上級裁判所でアメリカに留まる娘に定期的に会えるという裁定を受けたが、2006年に元妻が娘を連れて日本に渡ったきり、会えなくなった

 

ポール・トーランド海軍少佐は横浜勤務中に日本女性と結婚して、娘ができたが、別居となり、その後に妻が自殺してしまった。娘は妻の両親に引き取られ、そのままとなった。

 

スミス議員はいずれのケースも「日本側はアメリカの裁判の決定を無視しているため、子供の誘拐に等しい」として非難したのです。

 

スミス議員は日本政府に対しこの種のケースの個別の解決とともに、子供拉致に関する国際条約への加盟を訴えました。

 

拉致とは誘拐といえば、いかにも重大犯罪のようにもひびきますが、その実態は母親が自分の子どもを引き取って育てるという行為です。

 

しかし父親の側からすれば、元妻への愛情を失っても、子どもへの愛着は変わらず、自分の母国にその子どもをおて、ときどきは会えるという権利を保ちたいということになります。

 

ましてアメリカの裁判所がその父親の要求を法的に認めれば、もし母親が子どもを勝手に日本へ連れ帰れば、法律違反の行為になるというのです。

 

日米国際結婚の暗く悲しい裏面ということでしょうか。

 

しかし事態はすでにアメリカ議会にまで持ち込まれています。へんなふうにこじれて大きな政治問題などにはならないことを願うところです。

 

 

                                     クリス・スミス下院議員

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コメント(21)

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2010/03/21 06:03

Commented by donsukedon さん

残念ながらすでにかなりの政治問題になっていますね。
キャンベルが日本に来たとき、北朝鮮による拉致問題に悪影響と日本側に伝えています。
http://www.47news.jp/CN/201002/CN2010020601000521.html
クリントン国務長官もこの問題を重視しているそうです。
この問題どうなるかと思っていましたが、悪化する方に動きそうです。日本がらみの人権問題としてシフトしていく気配です。
若干疑問なのはハーグ条約を承認しない国はアジアに結構ありますが、アメリカ人と日本人以外の夫婦に似た問題は発生していないのか、発生しているとすれば、なぜ日本以外に同じような主張をしないのかという点です。

 
 

2010/03/21 07:02

Commented by izatoru さん

政治問題化しやすい話です。(日米関係がギクシャクしているので、より問題化しやすい)
米国人と日本人の子に対する感覚の違いもあることでしょう。
日米の国際結婚で、日本人の男性で、米国人の女性の場合に、子供が居て離婚した場合には、同じような事件が起こりにくいかもしれません。
とにかく、国としては注意して対応すべきです。
また、国際結婚をする場合、離婚する際に問題となる可能性を事前に知らせることも必要です。

> ① …ロサンゼルス上級裁判所でアメリカに留まる娘に定期的に会えるという裁定を受けたが、

離婚し母親が、日本に帰国する場合の対応を、どう決めていたかが気になります。
まさか、「日本に帰国してはならない。帰国する場合は、子をアメリカに留めておかなければならない。」という制約まであったとは思えません。たとえあったとしても、その際の生活費の補填を米国人の男性に支払わせる義務を負わせているのかも気になります。

なお、次のようなニュースも出ています。
・誘拐罪で米慈善団体メンバー10人を起訴、ハイチ
 http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/disaster/2690872/5279939
米国人のすることは正義で、十字軍だと思い上がっています。
国際結婚で離婚した時の子の扱いよりも、このニュースの方が悪質性が高いと思います。

 
 

2010/03/21 09:18

Commented by abusan123 さん

首相が鳩山由紀夫と言うところが更に問題がややこしくなっている。
どうせ米国に言いくるめられるだろうと言うオチになるでしょう。

白状しますと、この問題は分かりにくいです。
日米外務当局間でどう交渉されているのか不確定な
ものが有ります。日本国民の利益を考えると
この場合、米国の言いなりになってはいけません。

只、これはといった大義名分が無いのが辛い所です。

 
 

2010/03/21 10:01

Commented by soudenjapan さん

それだけ件数があるということは日本人女性の間で情報が共有されてるんですかね。とにかく日本につれて帰れば元夫は手を出せず、泣き寝入りするしかないと。
国際結婚の増加、インターネットを通じた情報共有。時代を背景とした国家間のトラブル。ようは国籍と準拠法の問題ですから、人の活動がよりグローバルになればこういう問題はどんどんでてくるはず。となると外国語のできる法律家がたくさんいてくれないと他国の正義に従わざるをえくなりますかね。政治家・役人の交渉力、その背後いる法律家の能力。ここでもアメリカがチャンピオンかな。

 
 

2010/03/21 10:36

Commented by 古森義久 さん

hoisassa さん

この案件について、よくご存知のようですね。

実は私はあまりよく知らないまま、議会の公聴会で聞いたことを報告したのですが、貴コメントで全体像がよりよく理解できた気がします。

スミス議員は中国問題に関心が深く、私も言葉を交わすことがときどきあるのですが、これまで日本を非難するようなコメントは聞いたことがなかったので、今回の発言には驚きました。選挙区の人たちから依頼されて発言していることは歴然としていました。

 
 

2010/03/21 10:38

Commented by 古森義久 さん

donsukedon さん

この問題がへんにこじれて、エスカレートして欲しくないですね。

当事者にすれば、それぞれ親子の血のきずなにかかわる重大問題であることはよくわかりますが、政治化させないことが重要ですね。

 
 

2010/03/21 10:40

Commented by 古森義久 さん

izatoru さん

<とにかく、国としては注意して対応すべきです。>

同感です。

 
 

2010/03/21 10:42

Commented by 古森義久 さん

abusan さん

この案件はあなたの日ごろのご関心の領域からはやや外にあるようですね。

私にとっても似たような感じだったのですが、このことで日米関係がさらに悪くなるような事態を避けるため、軽率な提言はしないよう自粛したいという気持ちです。

 
 

2010/03/21 10:43

Commented by 古森義久 さん

soudenjapan さん

確かにグローリゼーションとともに増えてきた問題ですね。

日本側はどのような法的対応をするのでしょうか。

 
 

2010/03/21 11:18

Commented by maru145san さん

タイガー・ウッズじゃないけれど、離婚時の取り決めを予めしておかなきゃならない時代なんでしょうかねー。ましてや、外国の人とでは。
それにしても、アメリカじゃあ女性のほうが不利なような気がしますね。

 
 

2010/03/21 13:16

Commented by 古森義久 さん

maru145san さん

離婚の際の男女の法的条件といえば、アメリカと日本とでは、まだまだアメリカのほうが女性に有利な裁定が出ている気がするのですがーー

アメリカでは一般に男のようが有利になる、というのもどうか、わかりません。

 
 

2010/03/21 13:58

Commented by 酔うぞ さん

To 古森義久さん
>maru145san さん
>
>離婚の際の男女の法的条件といえば、アメリカと日本とでは、まだまだアメリカのほうが女性に有利な裁定が出ている気がするのですがーー
>
>アメリカでは一般に男のようが有利になる、というのもどうか、わかりません。

ウィキペディアにあった記述です。

    >最初に離婚裁判が起こり、親権調停の判決が「子供の定住地」
    >との判断が出るのは欧米先進国である場合が多い。
    >そのためハーグ条約に調印すると、ほとんどの場合は手続きや
    >価値観の異なる外国(欧米)にこれらの国が子供を送還する結果となる
    >という政治的に困難な状態になる。

けっこう無茶苦茶な例もあって、この種の問題を条約で何を解決するのか?
というところから、根本的に話が合わないですよ。

完璧に文化の違いを条約で平しようという無理な話です。

 
 

2010/03/21 14:59

Commented by 古森義久 さん

酔うぞ さん

「文化の違い」だから仕方がないで、すめば、最初からなんの苦労もないですよ。

現に二人の男女が自分の子どもを奪い合うときに、間に入って、完璧な解決はないにせよ、苦しみや憎しみや暴力をできるだけ減らそうという願いにも、「文化の違い」があるのでしょうか。

ましてウィキペディアの記述がこの問題の解決の最大手引きというのでは、淋しいですね。

 
 

2010/03/21 16:41

Commented by 酔うぞ さん

To 古森義久さん

>現に二人の男女が自分の子どもを奪い合うときに、間に入って、完璧な解決はないにせよ、苦しみや憎しみや暴力をできるだけ減らそうという願いにも、「文化の違い」があるのでしょうか。

これはありますね。
有名なのは、子どもの独り寝でしょう。
これと、児童ポルノが合体している議論がありました。
(子どもと親が一緒に寝ることが性的虐待=児童ポルノ愛好家論)
ここらは、この数年でずいぶん解釈が違ってきています。

文化の違いを元に摩擦を理解しないと「先進国だから」という、判断放棄になりますよ。
法的規制の文化的背景の理解は絶対に必要です。

>ましてウィキペディアの記述がこの問題の解決の最大手引きというのでは、淋しいですね。

この点は、情けないですが。まともな、論文などは無いようですよ。

世の中を分かりやすくしようとして、法的規制が広まっているのは、全体としては大変に良いことですが、例えば「派遣労働規制」なんてのは、明らかに対症療法の下手なものの部類であって「別にやることがあるだろう」と思うわけですが、「法的規制」としては反対しがたい。

こういうことが、あっちこっちで起きている、と感じています。
これから、法律も含めて「どういうわけでこういう規則になったのか」を良く理解するように努める必要がある社会になってきた、と強く思うのです。

 
 

2010/03/21 18:15

Commented by donsukedon さん

私はこの問題、かなり深刻化すると思っています。
すでに上院議員数十人から日本にたいして抗議の書簡が送られていたと思いますし、アメリカと日本の問題というより、
日本と欧米の問題となりつつあり、在日欧米大使も何度となく日本に抗議をしていて、キャンベルの警告も本人の意見というより、
アメリカ政府および議員の意向をくんだものといって言いと思います。
日本からすれば北朝鮮の拉致と日米間の夫婦のもつれによる問題を同一視するとは何事かと思われるでしょうが、
現実にはアメリカ人の被害者いると思われる事柄の方が、
アメリカには深刻と受け取られるはずです。
トヨタ問題も当初日本側は軽んじていましたが、
その結果がご存知の通り、大変深刻なものとなりました。
ハーグ条約問題も今後日本の人権問題として、報告書などで
批判されるような状況に陥る可能性は十二分にあると思います。

 
 

2010/03/21 18:44

Commented by koku さん

古森さま

私もさっぱり分かってないのですが。

日本人女性というからには、日本で育ってアメリカ人と結婚して、後に離婚したんだと思います。離婚してからは言葉や習慣が違うために生活が難しく、日本に戻りたいと思い、手元に子供がいればいっしょに連れて帰るのであたりまえだと思います。

夫にアメリカ政府が飛行機代を出してやりゃいいんです。でもって誘拐されないように空港でガラス越し対面でもさせてやればいいと思います。

 
 

2010/03/21 22:21

Commented by abusan123 さん

To hoisassaさん

>離婚の背景にはドメスティック・バイオレンスなどで、やむなく子供を連れて逃げ出すというケースが多いらしく、日米間の国際結婚では女性が逃げて連れ帰ってくるというのがほとんどでしょう。

流石は古森記者が頷く意見ですなあ(^◇^;)

韓国ではベトナム嫁が「家庭内暴力」で殺された事件も
ありますし、そこんところの事情に近いものが
あるのやも知れません(^◇^;)

お陰でカンボジアでは「韓国人との婚姻認証停止」
と言う事態になりましたし┐(´д`)┌ ヤレヤレ
それに比べて私は米国事情を甘く見る傾向がありまして
貴方の意見に感心した次第であります(^◇^;)

後は私の懸念と一致して日本国民サイド的には説得力のある
意見だと思います(^o^)

下手にハーグ条約に批准すると日本人女性の「権利」が
侵害されるやも知れませんし(^_^;)(^_^;)(^◇^;)

 
 

2010/03/22 00:57

Commented by 古森義久 さん

donsukedon さん

すでに政治問題になっているということですね。

日米安保体制についてアメリカ政府を代表する国務次官補が指摘し、アメリカ議会の日本に関する公聴会で有力議員が10分以上も時間を費やして日本側を批判する、というだけでも、些細な案件ではありませんね。

 
 

2010/03/22 11:22

Commented by watch1938haruo さん

 本日(3月22日)はエントリのタイトル・「子ども手当ては外国人最優遇」は私の場合、出ているのですが何故か、肝心の本文が出ていないのです。このようなことはこのブログにアクセス(4ケ月位?)するようになってから、3月2日の「目の不自由なアメリカ青年が柔道」以来、二回目です。元々、私はインターネット時代に相当乗り遅れている者ですのでどうしてこういうことが起こるのか、分かりません。参考までにこのことを報告した上で、古森記者の今回のタイトルでの記述内容は分かりませんが、この問題は選挙前の政権公約時から財政面を含めて民主党政権の欺瞞性の正体を集約しているものとして格別の関心を持ってきています。その中で、このことについて地元新聞が民主党の太鼓持ち的な記事内容の中に重要なことの欠落があり、読者としてそのことを指摘したところ、基本的にはこのことを認め、読者欄に投稿してほしいとの要請を受けましたのでこれに応じた経緯があることが一つ、もう一つは私の同窓に当たる有力衆議院議員(面識はない)にこのことを含めて親書を送っています。そして返書もきました。これは突き詰めていくと今の民主党政権の体質を如実に表わしていると言ってよく、これは端的に言えば亡国政策の一つだと私は思っています。::それとお詫びです。<私は3月21日のエントリの中に記述すべきところ、手違いで3月20日のエントリの中に記述してしまいました。失礼しました。それにも拘わらずレスポンスをいただきました。感謝です。>

 
 

2010/03/22 12:35

Commented by 古森義久 さん

watch1938haruo さん

本文が出ないというのは不思議ですね。

今回はこちらに原因があるとは思えないのですが。

 
 

2010/03/22 12:37

Commented by 古森義久 さん

watch1938haruo さん

いまの最新の子ども手当についてのエントリーはふだんよりずっと長く、念をいれています。

それを読んでいただけないのは残念です。

 
 
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