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アメリカ官民が中国のウイグル人弾圧を非難

2010/07/24 14:51

 

 中国新疆ウイグル自治区で騒乱が起き、ウイグル人多数が死に、逮捕されてからちょうど1年、アメリカではこの1周年を記念してなお、中国当局のウイグル人弾圧を非難する集会が開かれています。

 

 

 その報告です

 

【朝刊 国際】
【緯度経度】ワシントン・古森義久 ウイグル問題 討論会の熱気

 

 米国議会上院のダークセン議員会館6階の公聴会室は超満員だった。
 7月19日午後、この時期の首都ワシントンは夏休みのために街路の人通りは少なくなるのだが、この部屋は人の熱気に満ちていた。

 「中国に関する議会・政府委員会」が主催した中国のウイグル問題についての公開討論会だった。

 

 この委員会は名称のとおり、議会と行政府が合同で中国の人権問題について調査し、議論し、議会と政府の両方に政策提言をする。

 

 いまの委員長はバイロン・ドーガン上院議員、副委員長はサンダー・レビン下院議員で、いずれも民主党の有力議員である。

 

 この立法府の代表に対し行政府は国務省の高官が代表になることが多い。

 

 19日の討論会は「抗議や騒乱から1年後の新疆の状況」と題されていた。

 

 中国の新疆ウイグル自治区で昨年の7月上旬から起きた騒乱からちょうど1年、中国当局の弾圧や、ウイグル人と漢族中国人との衝突で死傷者数千人を出した惨劇の後はどうなったか、という探索なのである。

 

 こういう集いをみると、いまさらながら超大国の米国の奥行きを感じる。

 

 ウイグル人問題というのは、中国政府の弾圧が明白でも、オバマ政権は触れたがらないのに、大統領と同じ民主党の有力議員が名前を出しての中国政府批判の討論会が立法府、行政府の共同作業として催されるからだ。

 

 しかも一般の傍聴者で大きな公聴会室が満員となり、立ったまま耳を傾ける人も多いのである。

 

 ウイグル問題には血なまぐさい事件からすでに1年が過ぎても、米国側での関心はこれほど高いのだ。

 

 パネリストでは米国を主体とする民間の国際的な人権擁護団体の「人権ウオッチ」のアジア部門責任者ソフィー・リチャードソン氏が発言した。

 

 「ウルムチ市の中心部の34世帯の現況調査では、そのすべての世帯で最低1人は不在者がいることが判明しました。当局に連行されたのです」

 

 ウイグル人住民多数が正規の司法手続きを経ないで拘束されたままだというのだ。

 

 ウイグル地区の人口動態を研究するマイアミ大学のスタンレー・ツープ准教授は、新疆の総人口2130万のうちウイグル人は46%、漢民族中国人は39%にまで増えた実態を説明する。

 

 「中国当局によるインフラを建設しての経済開発が進むほど、言語、文化、風習などの各面で脱ウイグル化が進んでいます」

 

 議会調査局の中国専門官シャーリー・カン氏は米中関係のなかでのウイグル問題の現状を語る。

 

 「中国当局はウイグル問題を台湾チベットと並べ、『国家主権にとっての中核の問題』と呼び、絶対に妥協しないという姿勢を強めています。米国政府も正面から提起しないとはいえ、注意を絶やしていません」

 

 しかしさらに核心を突いたのは、傍聴にきていた著名な中国専門家マイケル・ピルズベリー氏の問題提起だった。

 

 「ウイグル人は民族としての独自性を奪われていくという悲劇はチベット人と変わらないのに、米国でも国際社会でも、チベットよりはるかに少ない支援や関心しか得られないのはなぜでしょうか。一部ウイグル人がテロ勢力に入っていたからか、イスラム教徒たちだからか」

 

 この問いには、多様な答えが熱っぽく返された。

 

 「チベット民族には亡命政権があり、ダライ・ラマという象徴的存在があるが、ウイグル人はそうではない」「チベットでの自立の動きの国際的アピールの歴史がきわめて長い」「仏教とイスラム教との一般への印象の違いが大きい」「9・11テロ以後の対テロ戦の相手にウイグル人の一部が含まれたことが大きい」-。

 

 ウイグル問題への米国の対応はオバマ政権の表面の冷淡な態度だけで即断してはならないと思わされる討論がなお長く続くのだった。

 

                     ======

 

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コメント(20)

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2010/07/24 15:35

Commented by hasimoto214take さん

いつも興味深く拝読しています.

関岡氏の「帝国陸軍見果てぬ『防共回廊』」を読むと, 本当は
日本こそがイスラムの民の平和を論ずる資格があった筈だと思います.
日本海軍の無策による日本の無惨な敗戦がアジアの無辜の民を
どれほど不幸にしたことか. 日本は一刻も早く精神的自立を
果たして, 世界の平和のために力を注ぐべきでしょうね.

 
 

2010/07/24 19:29

Commented by tonosamabatta さん

そういえばかの満洲も果たして中国の一部(中国東北部)とみなすべきなのか、それとも女真族の土地とみなすべきなのか意見が分かれていますね。

私の尊敬する歴史家の岡田英弘さんと宮脇淳子さんは満洲は女真族(後の満州族)の土地で中国ではないといっていますが。

 
 

2010/07/24 22:00

Commented by dpal451 さん

 古森様 こんばんは。

 アメリカはオバマ政権の「表面の冷淡な態度」だけではなく、多くの議員は中国の人権問題に関心を持ち、発言を続けているのですね。

 それに引き換え、我が日本の議員は、中国の人権問題に意識を持ち、発言をする議員はほとんどおりません。フーチンタオ主席が日本に来た時、安倍元首相が不当拘束のウイグル留学生の釈放を求めたぐらいしか思いつきません。

 政府の人は外交問題での発言は難しい所はありますが、一般議員まで全く発言がないということは、彼らには人権とか国際問題に全く見識がないと言っているに等しいことです。もっと言えば、弾圧側に加担しているとさえ見ることもできます。

 日本の議員の不見識を見るにつけ、これも日本の行政制度と選挙制度にも問題があるのかと思ってしまいます。本来国会議員は日本国のレベルでの活動が必要な訳ですが、今の議員は出身の日教組、自治労、組合、各種団体などの支持母体の意向か、あるいは自分の選挙区の利権にしか関心がなさそうです。国レベルの議論にもほとんどついていけないのですから、まして国際問題まで意識もなく見識もないという状態でしょう。

 少なくとも選良なのですから、人間として善悪の判断ぐらいできないかと思います。義や正義の感覚はなく、ただ利権と出世だけが判断基準かのようです。

 あるいは議員の仕事は中央省庁から選挙区の利権を取ってくることだと思ってるかも知れません。これも中央集権体制の大きな弊害ですね。中央省庁や中央官僚が地方の権限と金を支配しているという現状は、選挙区のことしか考えない小さな議員しか生みません。

 地方のことは基本的に地方でできるようにし、国は国として本来すべき仕事に分ければ、やっと国会議員は国を考える国会議員になります。アメリカの国会議員が世界問題まで積極的に発言することは、日本との行政制度の違いにも原因があるのかも知れません。

 
 

2010/07/24 23:37

Commented by jiro-siwaku さん

戦前,日本人が国内にいた中国革命の父,孫文に質問した。
「どこまでが中国なのか?」と。
孫文は答えた。
「あなた方は万里の長城を知らないのですか?あそこが中国の境界線なのですよ。万里の長城から北方は漢人の土地ではありません。そこは満人の生まれ故郷なのです」と。

 
 

2010/07/25 00:02

Commented by 古森義久 さん

hasimoto214take さん

自分の国をきちんとしてこそ初めて世界に貢献できる。

基本の大原則ですね。

 
 

2010/07/25 00:03

Commented by 古森義久 さん

tonosamabatta さん

新疆ウイグル自治区とされる地域が中華人民共和国の領土ではない時代が長く長く存在したことも歴史的な事実ですね。

 
 

2010/07/25 00:05

Commented by 古森義久 さん

dpal451 さん

日本の国会議員の人権意識はなんとかして欲しいですね。
とくに左翼とか市民運動とか、「友愛」なんて言葉を吐くなら、普遍的な人間の権利の蹂躙に反発して欲しいですね。

 
 

2010/07/25 00:06

Commented by 古森義久 さん

jiro-siwaku さん

その孫文の言葉が中華思想につながっているのでしょうか。

 
 

2010/07/25 12:28

Commented by 刑天 さん

>新疆ウイグル自治区とされる地域が中華人民共和国の領土ではない時代が長く長く存在したことも歴史的な事実ですね。

事実誤認です。
第二次東トルキスタン共和国政府首脳は中華人民共和国成立以前に共産党政府に服属することを表明しているため、中華人民共和国成立以降新疆が共和国の領土でない時代は存在しません。

現在の理不尽な支配を糾弾する一方で歴史を改竄していたのでは説得力が無くなってしまいます。

 
 

2010/07/25 16:19

Commented by 古森義久 さん

刑天 さん

いま新疆ウイグル自治区とされる地域は1949年の中華人民共和国の成立前は中華人民共和国の領土ではなかったですよね。しかも長い長い年月。

 
 

2010/07/25 18:50

Commented by 刑天 さん

そんなレトリックを弄して誰得なんですか?
それでは北京も上海も中華人民共和国の領土ではない時代が長く続いたことになり、東トルキスタン地方の特異性が薄れてしまいます。

それに、そんなこと言っちゃうと東京も大阪も国民国家としての日本国でなかった年月はかなり長いですよ。

理論を間違えるとただの分裂主義者のレッテルを貼られて終わりです。

 
 

2010/07/25 18:53

Commented by 王マイゴッド さん

古森様、こんにちは。

>こういう集いをみると、いまさらながら超大国の米国の奥行きを感じる。

> ウイグル人問題というのは、中国政府の弾圧が明白でも、オバマ政権は触れたがらないのに、大統領と同じ民主党の有力議員が名前を出しての中国政府批判の討論会が立法府、行政府の共同作業として催されるからだ。


確かに日本との違いに圧倒されます。
左翼全盛の日本では、新聞界においても、
古森さんをはじめとする産経以外では、
チベットもウィグルもこの世には存在しない世界のようです。

鳩山が首相就任直後の自信満々の勘違い外遊で、
中国との首脳会談の際、
「チベットウィグルは中国の国内問題だ、
 見事に解決することを期待している」
と述べたことを思い出します。

こんなのはっきり言って、
「さっさと粛清すれば。日本は見て見ぬ振りするから」
というセリフですね。確かに以後、見事に知らん顔です。

 
 

2010/07/25 19:00

Commented by 王マイゴッド さん

今の日本は、石原都知事の言う極左政権です。

左翼は、平和だの人権だの命が大切だのいいますが、
この人たちは、ホントはそんなのどうでも良くて、
ただ日本人とアメリカ人を貶めたいだけのことで、
ホントは人権弾圧が大好きで、
人殺しなど何とも思ってなくて、
気に食わないやつはさっさと殺してしまえば、
それが平和だ、と思っている人達なんですね、実際は。

口蹄疫にかかった牛の扱いは、あれは人事ではないですね。

 
 

2010/07/25 19:04

Commented by 王マイゴッド さん

平和や人権が大好きで、
人の命は大切で、差別はいけない、
と思う私などは、
サヨクは心底軽蔑の対象でしかありえません。

 
 

2010/07/25 22:28

Commented by 場口重 さん

古森さま

日本政府も中国の民族問題をカードに駆け引きするくらいの胆力が必要だと思います。
正しい主張ですから弱点としてつきあげれば、中国国内での人権弾圧への牽制になり、同時に日本の対中発言力を増強できます。

民主党政権では期待できませんから、古森さまはじめ産経新聞でこれからも継続的に取り扱っていただきたいですね。

 
 

2010/07/26 00:34

Commented by 古森義久 さん

王マイゴッド さん

現状への非難のご心情はよくわかります。

しかしその現状を変えることに努力したいですね。

 
 

2010/07/26 00:36

Commented by 古森義久 さん

場口重 さん

民主党内にも本来、チベットやウイグルの問題できちんと中国当局への批判を述べていた議員たちも存在します。その人たちが「小沢独裁」で沈黙させられていたようです。その人たちに期待したいですね。

 
 

2010/07/26 00:37

Commented by 古森義久 さん

刑天 さん

無意味な揚げ足取り、ご苦労さんです。

要するにウイグル人への共鳴を抑え、中国政府の主張を擁護するのが
あなたの「理論」のようですね。

 
 

2010/07/26 01:37

Commented by 刑天 さん

逆ギレこそ無意味だと思いますが。

>要するにウイグル人への共鳴を抑え、中国政府の主張を擁護するのが
>あなたの「理論」のようですね。

ウイグル人へのシンパシーを高めるために嘘を喧伝するのは(長期的に見て)却って宜しくないと言っているだけです。
南京大虐殺犠牲者30万なんて嘘ついて同情を買おうとする中共と同様の愚を犯して何がしたいんですか?

 
 

2010/07/26 02:43

Commented by 古森義久 さん

刑天 さん

中国当局によるウイグル人の弾圧、あるいは抹殺という主題に触れさせたくないために、愚だとか嘘だとか、煙幕を張ってますね。中共の手先さんですね。

 
 
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