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「憲法第9条は誰の発案なのか」ーーーケイディス会見から(9)

2007/07/18 05:42

 

しばらく中断していた日本憲法の起草者チャールズ・ケイディス氏のインタビュー記録の続きにもどります。

今回分は戦争放棄などをうたった憲法第9条は一体、だれが発案したのか、などという疑問点に触れています。

では以下が会見記録です。



古森 (日本側が)“もっと多くの要求ができたのに”とはどういう意味ですか。

ケイディス 日本側が憲法草案の変更をもしもっと多く求めても、アメリカ側がそれに反対しなかった、というところがかなりあった、という意味です。

古森 交戦権について、さきに話されたようなところですね。

ケイディス はい。

古森 そうした点に関連して、日本が憲法第九条を受け入れることと、アメリカが天皇の制度や身柄の保持を保証することをからめた取り引きがあったようだ、という推測があります。

ケイディス 私は聞いたことがありません。もし当時そうした交換の取り引きが実際にあれば、私は必ずそれを耳にしたことでしょう。しかしまったくなにもそんなことは聞いたことがありません。

古森 あなたはこれまでのインタビューで、“憲法草案を日本側が受諾しなければ、天皇を戦犯として裁判にかけることもありうる”と金森氏に告げたことを認めた、ともいわれていますが。

ケイディス 私が金森氏にそんなことを言ったというのですか。そんなことはだれに対しても言った覚えはありません。

古森 それではなにかの間違いなのでしょうか。

ケイディス 私は全然、知りません。私が天皇の扱いについて知っているのは、ワシントンからの指令が“こんごあらたな命令がない限りは天皇については、一切なにもしない”とはっきり述べていた、ということに尽きます。だからそんなこと(天皇を裁判にかけるなど)は、考えもしませんでした。

古森 天皇と第九条をめぐっての取り引き、交換条件というのはなにもなかった、というわけですね。

ケイディス そんなことを私たちが検討したことはありません。したくてもできなかった。天皇についてはなにもするなという命令があったのだから、私たちが独自になにかをするのは不可能だったのです。

 さて金森氏に私がなにを言ったかですが、もしなにかを述べたとすればこんなことしかない・・・・・・NATIONAL POLITY というのは日本語でなんていいましたっけね。

古森 「国体」です。

ケイディス そうそう、“コクタイ”です。金森氏は当然、日本の国会で、新憲法が国体を変えることになるかどうか、何度も質問されていました。しかし彼はその質問に答えるのを避け、あれこれと言い逃れをしていました。なんの意味もない答えをながながと述べるだけでした。このことはGHQ民政局の中で、私よりも日本のことをよく知っている人たち、国体についてよく知っている人たちの懸念のタネとなっていました。コルグローブ教授とかサイラス・ビート氏という学者たちですが、彼らは新憲法は国体を変える、と考えていたのです。私は学者ではないので、それがどんなことを意味するのかよくわからなかった。けれども金森氏に対して、“新しい憲法は日本の国体を変える、というのが民政局内の日本専門学者たちの意見です。だからあなたはこんごその質問を受けたら、日和見のような態度をとらず、もっと率直な回答をすべきだ、と私は思います。さもないと極東委員会が結局は新憲法に不満の意を表明することになる、と日本専門学者たちは心配しているのです”と告げました。

 これは天皇の身柄などとは、まったく関係がありません。極東委員会には有名なイギリス人のジョージ・サンサム卿など、日本のことをよくわかる専門家たちがいました。もし新憲法が国体を変えないというなら、新憲法そのものの目標が達成されないことにもなる。帝国主義的な方法をすべて排除するというのが、その目標だったのです。

 いずれにせよ、金森氏に私が言ったことは、これ以外にはなにもありません。その他には私が彼が国会での答弁がうまいことをほめたりもしました。私の自宅には一九五一年ごろ日本の国会の訪問団が持ってきた、金森氏のサイン入りの掛軸がいまも飾ってあります。

金森氏と私とはその後すっかり仲良くなったのです。お互いに好感を持ち合っていたといえます。お互いに率直でもありました。

 そんな背景もあって私が金森氏に天皇の身柄について、そういうことを言うなど、考えられません。そもそもワシントンからのバイブル(命令のこと)があって、天皇に関しては私たちはなにもできないことになっていたのです。

古森 となると、日本政府がGHQ憲法草案をたとえ拒否したとしても、その結果、起きる最悪の事態は、同草案が国民投票にかけられる、ということだけだったわけですね。

ケイディス そうです。

古森 それよりも悪い事態は、なにも考えられなかったのですね。

ケイディス GHQに関してはそうです。でも極東委員会がどうしたかはわからない。とにかくホイットニー将軍が威圧的に言ったことは、それだけなのです。

古森 さてもう一度、確かめたいのですが、憲法第九条がだれの発案なのか、あなたはわからない。それを確定するための情況証拠も、あなたはとくに持っているわけではない。そういうことですか。

ケイディス まあそうですね

古森 発案者は幣原、マッカーサー、天皇のいずれかである、という以外にはなにも言えない。

ケイディス そういうことです。当然、数多くの人たちが、こういう戦争放棄というようなことを考えていました。天皇は神格化否定の宣言をして、世界中の新聞や世論から歓迎を受けたのですが、その時、私はホイットニー将軍に、“天皇が『平和主義に徹して』と言っているけど、これは具体的になにを意味するのでしょう。軍縮でしょうか、武装解除でしょうか。将軍は天皇がなにを考えているとお考えですか”と尋ねたこともあります。ホイットニー将軍は“わからない”と答えました。私は“GHQが新しい詔勅をだしてこの平和主義のアイディアをもっと進めてみるのも、悪くない。とくに世界世論に与える印象ということでは、とても望ましいのではないのでしょうか”とも言ったものです。だから第九条の考え方は、いろんな起源から発してきた可能性があるのです。私には確実にはわかりませんが。

古森 しかし天皇に限っていえば、マッカーサー元帥に直接考えを伝える機会は、極めて限られていましたね。

ケイディス はい。しかし幣原氏は天皇に会っていました。(つづく)

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コメント(46)

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2007/07/18 11:15

Commented by weirdo31 さん

本稿の続編がどう展開するかで結論は変わってきますが、ここまでケーディス証言を読む限りでは、新憲法が占領軍から頂いたものという結論には疑問符がつきますね。

むしろ、国会で憲法論戦をやれば、そこは空気で動く大和民族、もっと過激な、言ってみればソ連、(国民党)中国が喜ぶような人民憲法になっていた可能性もあったということでしょうか。

金森証言は、それを阻止するためGHQGHQがとGHQを錦の御旗にして「守旧派」をなだめたのだとも考えられます。

 
 

2007/07/18 11:43

Commented by 古森義久 さん

weirdo31さん

歴史にIFはなんとか、といいますが、もし日本側だけで憲法を決めようとしたとしても、無理だったことは明白ですね。現に松本試案というのがそれで、マッカーサーはその内容をみて、とんでもないと一蹴したわけですから。
しょせんは自主的にすることは不可能だった、ということでしょう。

 
 

2007/07/18 13:33

Commented by mochizuki さん

自主憲法は無理というより、無知でしょうね。

アメリカ側は「国体を一新(革命)」したと認識し、実際に「国体は一新(革命)」されたのに、日本側は「国体を護持した」と歓んでいたらしいですから…。

 
 

2007/07/18 14:33

Commented by staro さん

このあたりは米国なのか、マッカーサーなのかわかりませんが
汚い嵌めこみ的すり替え、書き換えがあちこちで見られるようですね
ポツダム宣言然り
9月2日の米艦ミズーリ号での調印式において
無条件降伏ではなく、休戦協定(有条件降伏)であったであった文書が
「降伏文書」と名付け、交渉の経緯を無視して「休戦」を「降伏」に
すり替えました
また9月6日になって日本軍の武装解除が進んだことを確認した
米国政府は「我々と日本との関係は契約的基礎の上に立っているのではな
く、無条件を基礎とするものである」と通達しました
アメリカは正式に結んだ国際条約を反故にしました
当時の外務省の条約局長はこれらを抗議したが、途端にGHQにより左遷
されました
これらの抗議、批判は検閲され「日本は無条件降伏した」というデマが
流れました
これが「日本の無条件降伏」が広まる原因でした
憲法制定などはポツダム宣言に基づく国際条約に違反し
占領地の法律を尊重することを定めた「ハーグ条約」にも違反しています

東京裁判も新憲法押し付けも国際法違反なのです

 
 

2007/07/18 16:10

Commented by staro さん

共産党元議長の宮本顕治氏が死去
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070718-00000011-yom-pol
憎まれっ子世に憚る
なんと98歳だったのか...

そういえば共産党は日本国憲法反対だったはずたが、今回の選挙でも
護憲をのたまわっていたようだ
相変わらずダブスタ政党である

 
 

2007/07/18 18:05

Commented by venom さん

To staroさん

ほーそうですか、ついに宮本の顕ちゃんは亡くなりましたか。
時代の流れですね。

>そういえば共産党は日本国憲法反対だったはずたが、今回の選挙でも
>護憲をのたまわっていたようだ

「ゴケン」というのはきっと、(宮本)顕ちゃんを護るって意味
だったんですよ。

 
 

2007/07/18 18:32

Commented by staro さん

venomさん

こんにちは
>時代の流れですね。
はい、宮澤逝き、宮本逝き、さあ次は誰でしょう?(笑
自民、共産と来ましたから、民主や社民あたりから?
護憲の大物が次々逝ってますね

と書いていたら↓↓↓[草莽崛起 ーPRIDE OF JA…]のところに
「日本=中華"倭族"自治区への転落?」とありました
ああ、私と同じことを憂う人がいるんだなあと思いました

 
 

2007/07/18 19:22

Commented by char さん

こんにちは。
マ元帥と昭和天皇とのツーショット写真をみれば、かれらが天皇の権威をかろんじてゐたことは、はっきりしてますね。このリポートでも、それをつよくかんじます。

 
 

2007/07/18 19:39

Commented by ぷぅ さん

>帝国主義的な方法をすべて排除するというのが、その目標だったのです。

これ自体がドニエ貨とか燻製ニシンですよね(実は今も意味が良くわかってないけど…汗)。
アメリカの言う日本の軍国主義的なものは全て舶来製ですw

>staro さん

>汚い嵌めこみ的すり替え、書き換えがあちこちで見られる

無条件降伏の嘘の指摘は大事だよね。
アメリカハワイでもフィリピンでも、どこでもそんな誤魔化しばっかし。
慢性的な病気というか病的な詐欺師気質。

>日本=中華"倭族"自治区

民族浄化…。ヤダヤダァ~!!! 。・゚・(ノД`)・゚・。

 
 

2007/07/18 23:14

Commented by 古森義久 さん

staroさん

宮本氏の死去には私もいろいろな感慨を覚えますね。

日本共産党憲法に対する公式言明をずっとたどると、おもしろいクイズみたいになると思います。

 
 

2007/07/18 23:16

Commented by 古森義久 さん

charさん

ご指摘の写真は私も頭の中ですぐ再現できるほど、みてきましたが、確かに象徴的ですね。
ケイディス氏の発言はGHQマッカーサーの当時の天皇観を率直に反映していると思いました。

 
 

2007/07/18 23:21

Commented by 古森義久 さん

ぷぅさん

私は二年間、中国に在勤した間に、中国人のいわゆる識者から「やはり日本と中国は一つの国になったほうが自然だと思いますよ」とまともに言われたことがあります。日本とはふだんは接しない、アメリカ専門の政府関係者でした。
で、私が冗談なのか否か、判別できないまま、「とはいっても日中両国は言葉とか文化とかいろいろ違うしーーーでも万が一、一つの国になったら言葉はどうするんですかね」なんて応じました。
すると相手はためらわずに、「そりゃあ、やっぱり大きい方の国の言葉を使うことになるでしょう」とおっしゃったのです。
ですから「日本自治区」という表現も、まったくのくだらない想像とは思いません。

 
 

2007/07/18 23:28

Commented by kinny さん

お久しぶりだ。
じつに興味深い内容をありがとう。

ごていねいにも考えなしのGHQ内務省を解体、一方で戦後の一極集中の原動力になった官導主義的戦時統制経済をものの見事に残してくれたおかげで、われわれは未だに国税率70%の、先進国としてはじつに馬鹿げた冗談のような中央集権の下に暮らし続けている。

まず現憲法はトイレにて流されるべきであろう

 
 

2007/07/18 23:34

Commented by staro さん

ぷぅさん

こんばんは

>アメリカハワイでもフィリピンでも、どこでもそんな誤魔化しばっかし。

私は義務教育の時、担任に「日本を離れ米国に帰る英雄のマッカーサーは
『I shall return』と言ったんだよ」と習いました(笑
今思えばすごい話ですね(爆

 
 

2007/07/19 03:07

Commented by 古森義久 さん

kinnyさん

戦後の体制には戦前の官僚主導部分などが手つかずで残されてしまった、ということですね。
野口悠紀夫氏の「1940年体制」という書などに詳述されていますが、
GHQの手ぬかり、ということでしょうか。

 
 

2007/07/19 05:52

Commented by weirdo31 さん

こういう考え方も出来るのではないでしょうか。

GHQがわが国の中央集権的政治組織を(unintentionallyに)利用して占領目的を達成しようとした。そのおかげでわれわれは現在のイラクで見られるような悲劇的な混乱は避けられた。

逆に、アメリカが日本占領の経験から、謙虚に教訓を得ていれば、イラクの悲劇は避けられたのではないか。

ひとりライス(当時は補佐官)だけが、われわれは日本民主化のお手伝いをしたとあとで言い直しましたが。

明治維新以降の前半60年は、有能な官僚のおかげで発展しそして挫折しました。後半の60年もここまでこれたのは有能な官僚のおかげであることは否定できません。光と影、禍と福、謙虚に歴史から学ぼうではありませんか。

 
 

2007/07/19 06:31

Commented by thinking さん

To 古森義久さん
>私は二年間、中国に在勤した間に、中国人のいわゆる識者から「やはり日本と中国は一つの国になったほうが自然だと思いますよ」とまともに言われたことがあります。
 こういう物言いを聞くと、僕は憤慨し激怒、ものだが、これが中国の識者の考え方なのかな?
>ですから「日本自治区」という表現も、まったくのくだらない想像とは思いません。
 これは中国の政治家の戦略と考える方が、現実的だと思います。 日本が中国の属国どころか、「日本自治区」とは!?
 戦前はソ連の南下政策で、日本が、おびやかされた様に、今は中国の太平洋進出戦略に、日本が脅かされているのだ。

 
 

2007/07/19 07:26

Commented by thinking さん

 僕は日本の「国体」という言葉が何となく好きなのだが、今は誰も言わない様だ。 軍国主義の臭いがするから、国民は、拒否反応を示すのか? しかし、「国体」とは軍国主義だろうか? 素直に「国体」という物を考えれば、これは日本の歴史ではないだろうか? (今、僕は小林秀雄の本を読んでいるので、何か、小林秀雄みたいだが)

 
 

2007/07/19 08:55

Commented by staro さん

慰安婦:日本政府が警告「決議案可決すれば日米関係悪化」

http://www.chosunonline.com/article/20070719000000

本当か?安倍さん
本当なら断固支持するぞ

 
 

2007/07/19 09:28

Commented by 古森義久 さん

weirdo31さん

しかし官僚主導政治のために、政官癒着を悪化させ、対中政策を誤り、経済政策を誤まって、「失われた10年」を生み、歴史問題などでの対外発信を怠り、などという結果もあったのではないでしょうか。

 
 

2007/07/19 09:30

Commented by 古森義久 さん

thinkingさん

中国側が本音としてそれほど日本を見下している、ということです。
「国体」というのは中立的、客観的な言葉のはずです。そういう概念が近代国家にはどこにでもあるのですから。

 
 

2007/07/19 09:48

Commented by staro さん

東京裁判をでっちあげた後に天皇制を利用し
猛烈な検閲と言論弾圧遂行し
ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム」を徹底し
日本国民洗脳を成し遂げたのである
イラクで失敗しているのは、言論弾圧、検閲そして
ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム」を実行していない
からであり、原爆投下をしていないからだ
米国イラクに日本の国土との比較分原爆投下をしてみればいい
出来るわけがないのだ
この時代、そんなことをすれば世界のマスコミが黙っていない
今のイラクが日本だったら今のイラク以上にテロやゲリラ戦が横行し
手のつけられないことになっていただろう

 
 

2007/07/19 10:42

Commented by weirdo31 さん

古森義久 さん

>しかし官僚主導政治のために、政官癒着を悪化させ、対中政策を誤り、経済政策を誤まって、「失われた10年」を生み、歴史問題などでの対外発信を怠り、などという結果もあったのではないでしょうか。<

その通りです。それをどう修正して行くかが焦眉の急だと考えます。

staroさん

お説いつも謹聴しています。私の言おうとしたことは、アメリカが対日戦で採用できた作戦は、現在の世界にあっては使えない戦略なのです。フセインが核兵器を開発しているという言うなればガセネタに引っかかったブッシュ、チェイニー&ラムズフェルドがフセイン体制崩壊にしゃにむに突っ走った結果が現在のアメリカ政府のAGONYです。

東京裁判で断罪された方々の怨念が出たのかも分かりません。

 
 

2007/07/19 11:19

Commented by staro さん

weirdo31さん

こんにちは

>ガセネタに引っかかった
私は思うのですが、米国も日本と似たり寄ったりの官僚国家で
このたびのイラク戦争も官僚の引き起こした暴走ではないか?と
日本の先の戦争も官僚の暴走でした
逆に世界で見たとき、このような傲慢な官僚たちを管理できている国家が
あるのでしょうか?
米国には官僚の責任を問える法律はあるのか?
こんなふうにも思ったりしています

 
 

2007/07/19 14:58

Commented by ぷぅ さん

>「やはり日本と中国は一つの国になったほうが自然だと思いますよ」
>「そりゃあ、やっぱり大きい方の国の言葉を使うことになるでしょう」

中国は確実に欧米の武力外交や植民地政策を学んでる。
とっても怖い。

マッカーサーは『I shall return』と言ったんだよ」

イラク戦争のせいで日本はアメリカの国債を35兆円分も買ったんだとか…。
既にまんま植民地。

>この時代、そんなことをすれば世界のマスコミが黙っていない

世界が黙って無くてもやってしまうのがアメリカ
私たちだって、ちょっと反論したくらいでアメリカに何か陰険な仕返しをされるかもってビクビクする気持ちを簡単に捨てられないでしょ?
アメリカは『リメンバー ○○!!』ってゆーけど、アラモの砦だって真珠湾だって(他にもあるよね?)攻撃されることはわかってたし、結局はアリバイ作りに長けてるだけで真犯人はいつもアメリカなんだと思う。

 
 

2007/07/19 15:12

Commented by venom さん

To weirdo31さん

>東京裁判で断罪された方々の怨念が出たのかも分かりません。

それはアメリカの戦後史、全般にわたって言えるでしょう。 第二次大戦は、それまでイギリスが握っていた世界の覇権を、アメリカが握るために行なったと言えます。 大戦中から既に、大英帝国の財政は莫大な戦費によって破綻していましたし、アメリカイギリスに借款を与える代わり、世界に持っていた植民地を手放すよう迫りました。 そうすれば、世界最強の軍隊を持ち、国内で食料や資源を自給できるアメリカの一人勝ちです。

その代わり、アメリカは世界の警察として重い責任を負いました。 アジアにおいては、大陸共産主義勢力を食い止めるという、戦前日本が背負っていた重荷を、代わりに背負う羽目になったと、ジョージ・ケナンも書いています。 朝鮮戦争ベトナム戦争も、北朝鮮の核問題中国との対立も、全て東京裁判で日本を断罪した結果、全ての厄介ごとがアメリカに向けて跳ね返ってきたのです。

日本はそのアメリカと軍事同盟を結んでいますから、協力するにやぶさかではないのですが、それにはまず「戦犯国家」との汚名を晴らす必要があるでしょうね。

 
 

2007/07/19 15:25

Commented by ohrakusai さん

ケイディス氏のインタビュー記事、大変興味深く拝見しております。
このシリーズが終わりましたら、古森さんに是非取り上げていただきたい重要なテーマがあります。
それは、「ボトルのコルク栓」理論についてです。
日米、日中、東アジア・朝鮮半島、その延長としての、西アジア問題における究極的な問題の一つが、結局アメリカは日本の安保理常任理事国入りに対してどう考えているのかということです。中国の最大の国家目標の一つがアジアに於ける覇権の確保であり、2005年の反日暴動の最大目標が、日本の常任理事国入り阻止にあったわけです。アメリカも必ずしも日本の常任理事国入りに熱心ではなく、東アジア政策も、未だに、キッシンジャードクトリンの延長上にあるように思えます。一方、議会筋には、party lineでは仕切れない、様々な意見があるかと思います。また、経済パワーとしての、中・ロの台頭という新しい状況もあります。
日本の憲法改正、戦後レジームからの脱却が国内的に可能になったとしても、次に来るのは国連レベルでの戦後レジームからの脱却問題です。日本が伝統的に不得手な外交問題でもあり、大島大使も悲観的なコメントを発表しておりました。北岡伸一次席大使は、最近の新聞記事で、この問題の重要性を的確に指摘していたと思います。
是非古森さんに、舞台裏の情報、ワシントン界隈でのこの問題に関する今後の見通しをレポートしていただきたいものです。

 
 

2007/07/19 19:16

Commented by anomaly さん

古森さん

早く最後まで見せてください。



ohrakusaiさん

「ボトルのコルク栓」理論って何ですか。

 
 

2007/07/19 19:54

Commented by ohrakusai さん

anomalyさん
現在の日米安保条約は中国にとって脅威ではなく、むしろ日本の軍事力の増強・核武装阻止のためには有益だとする考え方です。簡単に言えば、アジアを中国とアメリカで仕切る(例えば、偽6者協議など)、場合によっては、世界の他の紛争地域に於けるアメリカの権益確保のためにアジアで譲歩する(例えば台湾)等です。

 
 

2007/07/19 21:35

Commented by 古森義久 さん

staroさん

アメリカの行政府は日本と異なり、大統領が官僚機構の外側から選んで、任命する人たちが各省のトップの地位を占めます。その数は3000とも4000ともされています。いわゆる政治任命です。その人たちがキャリアの官僚の上に立つわけですが、官僚のベテランが政策を作ることもあります。
たとえば、いま北朝鮮と交渉するクリス・ヒル国務次官補は官僚です。
しかしその前任のジム・ケリー氏は政治任命、このクラスではほとんどが政治任命ですね。

 
 

2007/07/19 21:45

Commented by anomaly さん

To ohrakusaiさん

ありがとうございます。しかし正直、何度読み返しても全く解りません。
どういう理論なのか、もう少し抽象的に説明してくださると理解できるかもしれません。

 
 

2007/07/19 21:46

Commented by 古森義久 さん

ohrakusai さん

ご指摘の表現は新聞報道では「ビンのフタ論」と訳される場合が多いですね。
沖縄の海兵隊司令官が使った言葉で、彼はそれを上から非難され、左遷されました。
簡単にいえば、日米安保条約を日本の軍事大国化を防ぐための道具とする、という考え方です。この考え方はいまのブッシュ政権ではほぼ完全に排したといえます。むしろ日本に防衛面、軍事面で、もっとやってほしい、という政策です。
もちろん日本が日米同盟を破棄して、自主的に核武装をするというような路線を目指せば、アメリカは共和党、民主党の区別なく、猛反対するでしょう。しかしこれまた党派の別なく、中国の軍拡には警戒感を抱いており、その対応策としても、日本に軍事面でもっと強くなってほしいというのも、最近では超党派のコンセンサスになりつつあります。

とにかく日本にとって国家の根幹にかかわる重要なテーマですね。

 
 

2007/07/19 21:52

Commented by 古森義久 さん

上記の追加ですが、ohrakusaiさんの説明で、アジアを米中で仕切る、という点は、アメリカの意図としては、そこまではいっておらず、まだまだ民主主義の同盟パートナーとしての日本への依存や期待は大きいといえます。
たとえば、横須賀の米軍基地をみてください。原子力空母がこんどあらたに配備されるのです。また沖縄の海兵隊や空軍の基地をみてください。
軍事面では中国アメリカにとって完全に潜在敵国なのです。ただふだんの外交ではそういう表現で中国を描写しないだけです。この点のアメリカの対外戦略の基本のあり方を客観的に認識することは、きわめて重要です。
慰安婦で日本を叩くのがアメリカの本筋では決してないのです。

 
 

2007/07/19 21:59

Commented by 古森義久 さん

anomalyさん

ケイディス会見はまだ数回分はあるのですが、一気に紹介できないのは、ひとえに私が本来の職務である産経新聞に記事を書くための取材その他をせねばならないからです。

ビンのフタ論は、ohrakusaiさんの説明に補足すれば、ビンがあって、その中に日本、あるいは日本の潜在的な軍国主義志向があって、そのビンに栓(コルク)をして抑えているのが、日米安保条約、つまり米軍が日本にいて、日本を守ると同時に日本の軍事大国化をも抑えている、という比喩です。日本側からすれば、けしからん、話です。
こういう考え方は確かに米側に戦後の長い時期、ありました。
しかしいまでは集団的自衛権を行使できるようにしてほしい、憲法9条も改正してほしい、アメリカとの連帯という枠組みの中で、東アジアで日本はもっと軍事的役割を果たしてほしい、というところまで変わってきました。
これはもちろんアメリカの勝手ですが、その方向に動くことが日本にとっても得だろう、という見方は安倍政権には確実にあるわけです。

 
 

2007/07/19 22:06

Commented by 古森義久 さん

ohrakusaiさん

日本の国連安保理常任理事国入りですが、全世界でその動きを最も確実に支援するのは、アメリカでしょうね。ブッシュ政権は日本一国での常任理事国入りならば、無条件で賛成という方針を公式に表明しています。いや、本音は違うだろう、という推測になると、議論は別の次元になります。
そしてその日本の動きに全世界で最も強硬に反対するのが中国です。

前回、日本の動きをアメリカがそれほど支援しなかったのは、日本がドイツインドと組んでからです。当時、アメリカドイツにはとくに冷淡でした。イラクのフセイン政権打倒の作戦を妨害されたと感じていたことが最大の理由でした。当時のドイツのシュレーダー政権も退陣して、いまでは米独関係もだいぶ変わりました。
しかしアメリカの意図を誤算し、ドイツなどと組んで、常任理事国入りを目ざした日本の動きは戦後の日本外交でも最大級の失敗でした。そのことは私はいろいろな場で書いています。

 
 

2007/07/20 16:00

Commented by ぷぅ さん

>本が日米同盟を破棄して、自主的に核武装をするというような路線を目指せば、・・・、猛反対
>中国の軍拡には警戒感を抱いており、その対応策としても、日本に軍事面でもっと強くなってほしい

あまりに都合よすぎ…。
そう何から何まで聞いてあげられない。
でも現実は聞いちゃってるし。
じゃあ、日米同盟堅持して核武装ならアリなんだろうか?
同盟は永久じゃないから、やっぱりダメとか…。

 
 

2007/07/20 22:28

Commented by kinny さん

To weirdo31さん
申し訳ない、亀なもので許して欲しい。
いわゆる「官僚」について、小生は主語として多少不適切な使い方をしてしまったかもしれない。

小生が言いたかったのは、要は満州の経済官僚のことで、明治の官僚はまったく別のものだと思っている。
また戦後の発展は大蔵の傾斜指導によるものではなく、旧軍の軍事技術の民間転用と、日米同盟と、通産のマーケット戦略だったというのが小生の考えだ。

よく小沢さんが「官僚も使いようだ」的な発言をしていたが、軽薄な自大趣味に過ぎないのではないだろうか。勇名を馳せた齋藤さんだって、榊原さんだって、結局は何もできなかった。要は組織のあり方の問題、つまり18年の株式会社法的な集権的発想が問題の根本なので、彼ら自身がなすところはすべて小手先ワザにしかならない。

日本を大国にしたのは役人の力ではなく、明治の父に育てられた戦後世代の日本人、民衆の力だったと思う。

そして団塊は大正ゴーストップ事件的衆愚の始まりだったのだ、
現代の我々は明治の遺産を食い潰しているだけの存在なのではないか、といったような思いが小生の頭から離れない。もちろん信じてはいないが。

 
 

2007/07/20 22:37

Commented by 古森義久 さん

ぷぅさん

憤慨はわかりますが、戦後の日本が国家として幾多のハンディを背負い、そのハンディこそが望ましいという世論が主体となってきた現実の中で、自国の安全保障をどうすれば、よいのか、たとえば北朝鮮の核兵器を放棄させることを日本が自力、独力でどれだけできるのか、具体的な可能性を考えると、いまの日本が選んでいる対米同盟という道(もちろん永遠なんてありえませんが)は消去法で、これしかなかった、これでよい、ということになるとは思いませんか。

 
 

2007/07/21 00:23

Commented by simesaba0141 さん

 「日本と中国は、やはり一つになるべきだ。」なるほどねぇ。私はこの発言を知って憤慨すると言うよりは、「中国の立場から見れば、自然な発想だな。」とスンナリ腑に落ちる気がしますね。

 李鵬が、2015年には日本は滅びるだろう、とかなんとかご託宣を下した事があったそうですが、あれも、これと同じ文脈でなされた発言でしょう。

 もともと、中国は「漢字を使う土地は皆我が領土。」的な発想があります。それは、今は漢字を使わなくなった朝鮮半島、ベトナム、そしてタイにまで及びます。私自身は経験ありませんが、中国語を流暢に話す人には、会話がヒートアップすると、不意に「お前だって中国人だろう?」のような事を言われて絶句する、と言う体験を持つ人も居るようです。

 たぶん、未だに中国人には、国境なんてものは、強いやつが勝手に引く。と言う意識があるんでしょう。そしてそれは、近年の経済発展で、より強化されつつあるのだろうと思いますね。

 この単純明快さは、「独裁体制を妥当して、民主的な選挙を実施すればThat's all.」な米国的単細胞と、ある意味通じ合うのかな、なんて気もします。

 
 

2007/07/21 03:16

Commented by 古森義久 さん

simesaba0141 さん

似た話ですが、中国の識者のなかにはベトナムに対して
ベトナム語という言葉はないんだ。あるのは中国語の方言だけだ」と言い放つ人たちがいるそうです。
聞いたことありますか。

 
 

2007/07/21 17:09

Commented by ぷぅ さん

>消去法で、これしかなかった、これでよい、ということになるとは思いませんか。

『これまでは』って感じです。
安全保障にとって危険なほど、米国債を買ったり、アメリカからの要望書を受け入れたりさせられることが続くのであれば、他の道も模索するべきだと思います。
アメリカは戦争のときにアメリカの政権内でどんなことが起こったのかわかったから、講和条約の締結を早めた(少なくともその理由の一つ)と私は思ってます。
アメリカは今までに日本に対する態度を変える機会がいくらでもあったのに変えなかった。
そして『これからも』ということであれば、やっぱり考えるべきと思います。

 
 

2007/07/21 18:37

Commented by simesaba0141 さん

 >古森義久 さん

 いえ、直接聞いたことはありませんが、充分にあり得る話だと思います。

 ヴィエトナム語はご存知かもしれませんが、かつて自国語の表記に漢字を用いていました。漢字の読み方にベトナム固有語を当てると言う方法は、ベトナム以外にも、朝鮮半島の吏読(イドゥ)、日本の訓読みなど、中国周辺各国の言語に見られる共通のパターンです。

 ベトナムの漢字読み下し法は、字喃(ジュノム)と呼ばれていました。ヴィエトナムの漢字表記は越南ですが、かつては大越(ダイヴィエト)と称していた時代があったり、「ありがとう」のgam-omを「感恩」と当て字したり、人の名前が大抵は漢字で書けるので、半端に中華圏の知識を持っていると、ご指摘の知ったかぶりを吐く可能性は高いでしょう。

 実はベトナム語の入門編と言うヤツを、サイゴンで買ったのですが、北京語の解説なんですけど、ざっと見ていても共通項は多いと感じました。漢字語からの借用語はかなりあると思いますね。

 同じ理屈で、朝鮮半島は完全に中国文化圏と看做していると思います。いま、東北工程とやらで、韓国は自国の文化を中国文化として簒奪する物だと、大騒ぎしていますが、中国人からすれば、恐らく彼らが反発する理由そのものが、そもそも理解の範疇外であることでしょう。

 
 

2007/07/21 18:40

Commented by simesaba0141 さん

 …なんかところどころ、ベトナムだったりヴィエトナムだったりしてますね(笑)ダイヴィエトと書いたあたりから、自分で訳わかんなくなっちゃいました…。

 
 

2007/07/22 01:15

Commented by 古森義久 さん

simesaba0141さん

ベトナム語についての興味あるお知らせを感謝します。
まあ、表記は「ベトナム」でいきましょう。
私はベトナムに4年近く住んで、青春の最後の部分を過ごしたせいか、いまでもベトナムの話となると、なんとなく心が弾みます。

ベトナム語は正式に勉強したことは一度もなかったのに、在住期間にかなり覚えました。ベトナム女性とベトナム語だけで、外出して、食事をして、
なんとなく簡単な話をする、という水準までは達しました。

確かに明らかに中国語から入った単語は多かったですね。
記者はキザ、報知がバオチ、国家がコクザ(南ではコクヤ)、悲観がビークアンなんていうのが多数、あったのを覚えています。
ああ、そういえば、自愛という言葉、トゥーアイなんていって、当時、南ベトナムで有名だったキム・クン(ダイアモンドという意味だそうです)という名の女優さんと会話をしたときに、よく出てきた言葉でした。
いやはや、懐かしいです。
でもあなたは語学が趣味といわれるだけあって、私と異なり、ベトナム語、中国語などに関して体系的な知識を持たれているみたいですね。

 
 

2007/07/22 10:38

Commented by simesaba0141 さん

 >古森義久 さん

 「ベトナム語、中国語などに関して体系的な知識を持たれているみたいですね。」いやいや、学校で勉強した知識じゃないので、そんなご大層な物ではないですよ。ただ、一つ信念はあって、それは、「どうせ人間の考える事は皆同じ。言語だって、意思を伝えたいと言う思いが先にあって、文法は後付けの「理論」でしかない。」と言うものです。

 人間、手近なところに便利な道具があれば、それを使うのは当たり前であるように、言語だって、手近に体系付けられたものがあれば、それを自分達で使いこなして行くうちに、自国語として定着していく物なんじゃないでしょうか。ましてや、ベトナム中国は陸続きですから、人も物も、古代から密接に交流して来たはずです。

 ところが人間ってのは勝手な物で、そもそも言って見ればご都合主義的に出来上がった言語間に共通点が多いのは当たり前なのに、いつの間にやら論点をすり替えて、「言語が似通っているんだから、あいつはもともと俺達の分家筋だったに違いない。」に話が変質して行くんですね。

 で、挙句の果てには、「あいつらの言語や文字は、もともと俺達が教えてやったものだ。」と言う思い上がりに通じていく訳です。

 これはもう、我々が生まれる前からずーっと培われてきた、言わば民族的記憶ですから、直す、直さないの問題じゃないのかも知れません。ただ、インターネットの普及は、そうした固陋な思い込みに対抗する、一つの有効な手段になり得るかもしれない、なんて淡い期待はありますけどね。

 
 

2007/07/22 10:46

Commented by simesaba0141 さん

 さて、古森さんはベトナム在住期間中、日常会話についてはかなりベトナム語を習得したと言うか、慣れた由。それはやっぱり、日本語以外に、英語と言う外国語を習得したと言う体験が大きくプラスになっていると思います。「私」「あなた」「売る」「コーヒー」「一杯」でも、「私」「売る」「一杯」「コーヒー」「あなた」でも、どっちにしても意味は通じるわけで、要は柔軟に言葉の並べ替えパズルを行えるように、脳が充分なトレーニングを受けているかどうか、がポイントなんだと思います。

 事実、一つの外国語を習得した人が、第二外国語を習うと、習熟度は第一外国語を習った時よりも、確実に早くなります。誰に聞いても、これは同じですね。自分自身も、いま広東語にまで手を広げていますが、北京語の習得時間より格段に短くなっていますから。

 
 
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