ワシントンでの米中関係の新展開(であるかのようにみえる動き)について以下の記事を書きました。

(習近平・中国国家副主席)
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〔ワシントン=古森義久〕
中国の習近平国家副主席の14日からの訪米は中国の次期最高首脳の米国側との初の顔合わせとして新時代の米中関係の幕開けを告げうるとも注視されている。
米中関係の動きをそれぞれ30年以上、追ってきた米側のベテラン専門家2人にインタビューしてこの訪米の意味や目的を聞いた。
今年中には中国共産党総書記就任が確実とされる習氏の訪米の目的についてジョージワシントン大学教授のロバート・サター氏は「両国の政権が習訪米により米中関係の安定を誇示したいと願っているが、その意欲は中国側の方が強く、次期最高指導者となる習氏を米側に向けデビューさせたいわけだ」と述べた。
米中経済安保調査委員会委員のラリー・ウォーツェル氏も「この訪米は実質的というより象徴的、儀式的な意味が強いが、米中関係の基調を再設定する機会にする期待は両国側にある」と論評した。
しかし習氏の米側との実際の接触ではサター氏は「両国ともいま改めて顕著となった米中間の政治体制に始まる基本的な差異をできるだけ隠し、対話や協力を表面に出しての実務的にみえる会談にしたい意向だが、この点でも中国側の方がその意向が強い」と述べ、その理由として米側ではいま議会などから中国のチベットなどの人権抑圧や南シナ海などでの攻勢的な対外姿勢への批判が強まり、オバマ政権もその流れを軽視できないことを指摘した。
ウォーツェル氏も「米側では政府、議会ともに中国側の人民元レート操作、軍事拡張、南シナ海での強硬行動、イラン支援などへの強い不満があるが、習氏はそれらの課題を討議の対象にすることを避けるだろう。米議会はなお追及するかも知れないが、結果として対立の少ない経済分野の案件が主課題となると思う」と述べた。
同氏はその経済案件について「習氏は米側の産業界代表との懇談などで米中経済関係の強化を説くだろうが、経済分野でも現実には知的所有権侵害、世界貿易機関(WTO)規則不履行、人民元レート操作など中国の行動への米側の不満は強い」とも解説した。
米国側の政治状況が習訪米に与える影響についてサター氏は「いま大統領選の予備選最中で党派争いが激しく、オバマ政権の対中政策も共和党側から軟弱すぎると批判されて、同政権は習氏訪問でも中国への批判を表明せざるをえなくなりうる。中国側はいまその種の批判はなんとか避けたいところだ」と語った。
ウォーツェル氏も「大統領選でオバマ氏が敗れる可能性もあるから、中国側にとってこの時期にオバマ政権とのきずなだけを強調することにもリスクがあり、習氏もその点を認識しているだろう」と述べた。
習氏の指導者としての特徴についてウォーツェル氏は「習氏は同じ太子党同士として劉少奇氏の息子の人民解放軍上将の劉源氏と親しいが、劉上将は反米強硬派であり、その習氏への影響が懸念される」と語った。
サター氏は「習氏は中国の歴代最高首脳のうち個人としての実績や名声という点では最も弱体のリーダーとなる」と指摘した。
なおサター氏は1970年代以来、米国歴代政権の国務省や国家情報機関、議会調査局などで中国や米中関係を専門に政策研究にあたってきた。
ウォーツェル氏も1970年代から米陸軍の中国専門家として北京駐在の武官や国防大学教授を歴任した後、ヘリテージ財団副所長をも務めた。


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