アメリカの大統領選では中国系米人の刑事被告人がヒラリー・クリントン上院議員らに巨額の政治献金をしていたことが判明して、ついにヒラリー陣営は10日、このナゾの中国人、ノーマン・シュー氏が募金した寄付の総額85万ドルをみな返すという異例の措置をとることを発表しました。この献金が不正、あるいは不適切だったことを認めたからこその措置です。
85万ドルといえば、ほぼ1億円という金額です。指名手配中、しかも倒産の前歴があるこの中国系の人物がこれほどの資金を集められることがまず不思議です。また1992年にカリフォルニアの裁判所で有罪判決を受け、収監命令が出ていたのに逃げてしまったという刑事被告人が15年間も自由に動き回り、ここ数年はニューヨークを舞台に民主党の大口募金の担当者になっていた、というのも、さらにミステリアスな話です。
そもそもアメリカの民主党には中国政府関連の機関や人物たちから巨額の選挙資金を受け取っていたという汚辱の過去があります。ビル・クリントン大統領時代の1996年、97年あたり、そんな傾向がとくに顕著でした。それにしても今回の一気に85万ドルを返還というのは、政治献金の返還額としては、アメリカの政治や選挙の歴史でも最大のようです。
ちなみにこのシュー氏は慰安婦決議で活躍したマイク・ホンダ議員にも献金し、
事態が明るみに出ると、ホンダ議員はあわてて、その献金を放棄しました。
やはり非を認めたわけです。
そのへんの経緯は別のところに私が書いたレポートで詳しく伝えています。
http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/i/57/
産経新聞では9月12日朝刊で次のように報じました。
[ワシントン=古森義久]
米国大統領選民主党有力候補のヒラリー・クリントン上院議員は10日夜、中国系ビジネスマンのノーマン・シュー氏が集めた選挙活動用の政治献金総額85万ドルを返還する決定を発表した。シュー氏は民主党への資金集めでは全米トップ水準にあるが、逃走中に逮捕された刑事被告人であり、献金の動機や出所もナゾに包まれている。
クリントン議員事務所は10日、シュー氏が2004年以来、同議員の上院選や大統領選の資金用に集めた献金合計85万ドルという巨額を数日中に計260人ほどの献金者に返還することを発表した。これまで同議員はシュー氏自身から直接に寄付を受けた2万3千ドルだけを放棄して、慈善事業に寄贈する措置を明らかにしていた。
しかしクリントン陣営ではシュー氏が他の人物たちから集めた献金のすべてにあたる85万ドルを返還することにしたわけで、同陣営内でシュー氏の献金、募金の活動に違法性があるという懸念が高まったことを示している。
シュー氏は香港出身の中国系米人で、1992年にカリフォルニア州の裁判所で窃盗や詐欺の罪で禁固3年の有罪判決を受けたものの、逃走し、ニューヨークでここ数年、州や連邦のレベルでの民主党政治家に大規模な献金を続けてきた。8月末に米国メディアの報道でその逃走中の身分が明るみに出て、いったんカリフォルニア地裁に出頭したが、また逃走し、コロラド州内を走る長距離列車内で急病となり、逮捕された。
クリントン陣営ではシュー氏の献金・募金活動自体が連邦選挙法に違反する恐れがあるとみて、この巨額の返還に踏み切ったとみられ、連邦当局もシュー氏の背景などを捜査し始めた。


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