国際教養大学のグレゴリー・クラーク副学長は「拉致は捏造」というコメントを批判されると、こんどは「横田めぐみさんの死亡が確実なのに生存しているかのように宣伝する日本の官民のキャンペーンがインチキ」と逃げを打っています(NBR論壇で)。
しかし100%の断言など、どう考えてもできないでしょう。こうした言辞の陰にちらつくのは非人道的な、思いやりのなさです。
ちょうどこの時期、10月11日朝(日本時間同深夜)、アメリカのブッシュ大統領が北朝鮮の核実験などに関して記者会見を開き、そのなかで自分の方から横田早紀江さんとのホワイトハウスので会談での印象を熱をこめて語りました。めぐみさんを拉致された母親の悲しみへの同情を改めて述べたのです。
クラーク副学長の「横田めぐみキャンペーンはインチキ」という言葉となんと異なることか、つい考えさせられました。
本日のブッシュ大統領の言葉は以下のようでした。
「私が大統領を務めていて最も意義があると感じた瞬間の一つは、日本人の母親(横田早紀江さん)が自分の娘さんを北朝鮮に拉致されたことがどのような事態であるか、大統領執務室にきて、話してくれたときです。それがどれほどの(辛い)ことであるか、想像はつくでしょう。その話は私の心を打ち砕きました。すべての人の心をも悲しませるべきです」
ブッシュ大統領は今年4月28日、横田早紀江さん、息子の拓也さんらをホワイトハウスに招き、40分以上、会談しました。その際には脱北者の家族ら他の4人もいましたが、大統領がその後、「最も胸をうった会合」などという表現でなんどもその感動を語るのは、横田早紀江さんとの話し合いについてでした。
今回の会見での横田さん母子への言及も別にその件について質問されたわけではないのに、大統領は北朝鮮の人権弾圧に関連して、自分から語ったのです。早紀江さんとの出会いがそれほど強烈に、それほど悲惨な体験として、大統領の心に強く残っている、という理由だけからでしょう。
下記はブッシュ大統領の今日の言葉の原文です。
”One
daughter
what
政治家の言葉としてシニカルに受け取るのも結構です。
でもクラーク氏の言葉とはどれほど異なることか、人間にはいろいろな種類がいる、とだけ結んでおきましょうか。
http://komoriy.iza.ne.jp/blog/trackback/55605
2006/10/12 16:40
今月の5日に、めぐみさんは42歳の誕生日を迎えられたと聴きました。人生の貴重な期間を家族が引き裂かれた事を思うと、言葉を失くします。
11月から「めぐみー引き裂かれた家族の30年」という映画が日本でも上映されると聴いています。
カナダ人の方が自主制作されたという話です。是非映画の上映が成功するように応援したいと思います。
2006/10/12 18:16
拉致被害者救出は待ったなしの所まで来ていますね。
安倍ーブッシュ体制は首脳会談こそ未だですが、上手く機能しているように思います。
国民世論としては、拉致被害者の実力救出まで声を高めて行きたい!!
集団的自衛権解釈変更をさっさと押し切って宣言して欲しいです。
2006/10/12 22:40
kikuti-zinn様
ご指摘の映画は今夜CNNでも概略が放映される予定です。
またワシントン地区の一部映画館でも上映されることになっています。
日本人コミュニティーの有志が一生懸命に宣伝をしています。
2006/10/12 22:42
民草あおい様
安倍・ブッシュ関係はすでに知己があり、安倍首相があえて急いでアメリカを訪問しなくても、すでに電話会談でブッシュ氏側から「訪米ならば、いつでも、どこでも好きなときにしてください。こちらはそれに応じます」と述べているので、基盤は固まっているようです。
2006/10/13 06:41
古森さん、こんにちは。
》こうした言辞の陰にちらつくのは非人道的な、思いやりのなさです。
その通りと思います。所謂、リベラルには「心を遣(つか)う」、「想いを遣(や)る」という心的作用を望むべくもありません。民主党のルーズベルトはなにをやったか?表面的には人道主義を装い、その実、権謀術数でしかありませんでした。実におぞましい爪痕を歴史に刻み付け、今や誰の目にも明らかになりました。彼らの視野には「誠実」というものが存在しないことでしょう。だから、論点をずらしても恥ずかしいとも思わないのです。利己の権化ですから、他人はどうなろうと平気なのです。そこを炙り出して、騙される人が出ないよう、孤立させることが肝要なのでしょうね。人種を越えた、人類の為の戦いです。たぶん、横田早紀江さんも、そうお考え、戦っておられることでしょう。頑張ってくださいね。応援しています。
2006/10/13 06:49
>本日のブッシュ大統領の言葉
この御言葉こそ、正論です。
ブッシュ大統領は日本人の悲痛な感情を理解してくれたのだ。
西洋人でも分かる人には分かるのだ。
日米は感情的にも同情できるのだ。
それにしても、シナ人や朝鮮人はどうなのだろうか?
2006/10/13 09:41
daiho様
横田早紀江さんの人間性、誠意などはブッシュ大統領に電撃のように通じたのだと思います。直接に言葉を理解しあえなくても、顔を合わせ、相手を見て、聞き、感じるうちに、ほぼ瞬時に相手の深奥部分がわかった、という感じの会見だったそうです。
2006/10/13 09:44
thinking様
このときのブッシュ大統領は本当に横田早紀江さんとの会見について言葉を述べる必要はなかったのです(質疑応答の流れからして)。それでもあえて熱をこめて語ったということは、いつも自分の胸に息づいている体験だから、ということだと思います。
2006/10/13 11:17
トムクランシーの映画「パトリオットゲーム」の中で,テロ行為で女の子が犠牲になることをアメリカ人は一番嫌い非難するという正義感を持っていることが描かれています.ブッシュ大統領の会見を聞いてこの話を思い出しました.ごく普通のアメリカ人ならこう言ってくれるのだと..
国際教養大学のグレゴリー・クラーク副学長はこういう正義感を持ち合わせていないか,もしくはこういう正義感を持っていたとしても,被害者の肌の色で差別する人種差別主義者なのでしょう.
グレゴリー・クラーク氏は本当に嫌な人だ.
2006/10/13 22:27
talken様
ブッシュ大統領とクラーク副学長と、前者はアメリカ人、後者はオーストラリア人ですが、どちらが「人間らしい」という意味で普通であるかは、簡単に答えが出ますね。
2006/10/13 22:46
アメリカ人と話して気持ちが通じると、すごく義理堅いところがあって、友人を紹介してくれたり、味方になってくれて様々な情報をくれるのです。日本に来る時は、必ず秘書から連絡が入るし・・・なんか、日本人より義理堅い感じがするのですが・・・。
ブッシュ氏は、そんな古いタイプの米国人を感じます。
日本では、ブッシュ嫌いが多いのですが。
2006/10/13 23:00
yuyuu様
「義理堅い」というのはまさに正確なブッシュ評だと思います。
日本でのブッシュ叩きは主としてイラク戦争が「理由」のようです。そのネガティブなブッシュ非難を展開する人たちは、彼の対日信頼政策、日本重視、日中摩擦での日本支持、拉致問題での日本支援、などなど、対日政策を決して語ろうとしないのが特徴だと思います。
自分の国にとってのよいこと、悪いことは外国首脳の政策の評価ではまず最大の指針にするべきだと考えるのですが。
2006/10/14 03:03
クラーク氏がオーストラリア人だから、、、というのは少し飛躍過ぎかな、という気がします。私の知る範囲ではアメリカ人よりもオージーの知り合いの方が人間的に良い人が多いので。とはいえ一つ言えるのは、彼らは都会のアメリカ人ほど洗練されていません。だから馬鹿な日本人が外人(白人)だと言うだけで有難がり、ちやほやして、勘違いする傾向は、オージーの方が確率が高いかもしれない。
一番の問題(癌)はその手の馬鹿日本人ですよ。
2006/10/14 08:00
goldenpig様
どこの国の人間だから、こうだ、というのも、気をつけて進めねばならない議論ですが、国民的特徴、民族的特性があることも事実ですね。
クラーク氏の場合は日本であまりにチヤホヤされてきた「実績」があるようです。
2006/10/14 16:59
古森義久様
拉致被害者奪還は日本国民の悲願となりました。よくわかって声をかけてくださるアメリカ大統領と、クラーク氏の人間としての価値とには雲泥の差があります。アメリカの悪口を言っていれば文化人と思う日本の輩がおりまして、子供のときからアメリカ人に良くしていただいた記憶のある私としては不愉快になります。クラーク氏のような人物が、日本の大学にいること自体、許してはいけないのでしょう。
2006/10/14 23:43
2006/10/15 01:08
> なるほど,クラーク氏はオーストラリア人だったのですね.納得しました
小生のオーストラリア人との交流範囲の狭さから視野が狭くなっていたようですね..
それぞれ環境により違いますからね.
すみませんでした..
2006/10/15 23:42
はじめまして,小森さん.いつもブログを楽しみに覗いています.今回のブッシュ発言を聞いて,やはり彼は神さまのお使い(?)だったのかと思いました.何ていい人だろうと.ところで,今回の北の核実験によりいよいよ将軍様は追い詰められ制裁が強められていけば来年には国家瓦解となると推察しています.その後の混乱と拉致家族の身の安否が大変心配ではありますが.核実験が実行されたことは不幸ななりゆきですが,北朝鮮は瓦解して国民(と日本人拉致被害者)が先軍政治から開放されることがどうしても必要と思います.私見にすぎませんが,ある意味で今回の事態を導いた遠因は拉致家族の方々ではないでしょうか?ブッシュ政権に始まる各国による金融封鎖,この夏の災害などにより北の困窮は極限に達し追い詰められて行った手段が核実験だったのではにでしょうか.アメリカが金融封鎖という手段をとったのは無法者国家による犯罪の数々への怒りもさることながら小森さんの取り上げておられる横田さんとの面会による拉致というテロへの怒りがその背景にあったと思っています.拉致家族の方々はこれまでも日本人の意識変革に大変大きな貢献を果たされてきましたが,今回も結果的に大きな影響を与えることとなったと考えています.北による核実験が今後どのように世界と日本を導いていくのか,五里霧中の状態ですが,不幸なシナリオでなければよいがと案じています.
2006/10/16 07:24
mtaka2様
ブッシュ大統領が横田早紀江さんとの面会によって、日本の拉致問題への同情と憤慨をそれまでよりも何倍も高めたことはまちがいありません。早紀江さんの挙措には人を感動させる、静かなパワーがあるのだと思います。それをカリスマと呼ぶか、人徳と呼ぶか、とにかく言語や文化を越えたなにかが人間の胸を打つという感じです。ワシントンでの早紀江さんとアメリカ側の接触を間近にみて、つくづくそう感じました。
ブッシュ氏は信仰深く、人道主義を律儀に信じるという側面があります。北朝鮮に対し、制裁から食糧支援を外すというのはブッシュ氏の個人の考えを反映していました。政府高官たちは、内心では食糧を制裁の例外にすることには反対のようでした。
2006/10/21 14:30
古森義久様
私はステークホルダーという視点が重要だと思っているのですが、クラークさんが周囲に摩擦を呼ぶ発言をする源泉は何なのでしょうか。
そのステークホルダーなるものが分かれば、彼の言説を理解しやすいのではないかと思います。
言説の原因がオーストラリア人というステークホルダーではないことは明らかなようですし…。
それとも、有色人種なのに、世界第二位の経済的繁栄をしている日本へのオーストラリア人の嫉妬なのでしょうか…。
2006/10/22 17:25
>daioh様
リベラル全てがそのような無神経で人の心を踏みにじる人々、というのはミスリードだと思います。
社会や世間というものは、そんな単純な善悪二元論で分けられるほど簡単ではありませんよ。
しかしリベラルな人々は、割と単細胞で物事を信じやすい、比較的素直な感性の持ち主だということは言えるかも知れません。
映画「ラストサムライ」を監督したエドワード・ズゥイックはリベラルな人として有名ですが、彼などは黒澤明を通じて日本好きになった例でしょう。
逆に、日本に関わる機会の無かったリベラル傾向の人々は、日本を悪し様に言う傾向があるかも知れません。多少、決め付けによって自己陶酔する、熱狂的な傾向のある人々なのかも知れませんね。それはリベラル以前の問題です。
そしてリベラルが人の心を踏みつける、というのも、そういう傾向が目立つだけであって、全てがそういう人々ではないわけですね。
リベラル(急進的)であって、なおかつ世間知を身に付けた人こそ、重要な人物だと思います。
それが敵であれ、味方であれ。
2006/10/22 17:46
> mtaka2様
先ごろアジア諸国を歴訪したコンドリーナ・ライス女史は某所(失念しました)での記者会見で金融制裁の解除を求められて「それは国内法の問題だ」と発言しています。
つまり核実験や人権問題ではなく、偽造ドル紙幣対策としての金融制裁だと示唆したと理解しました。
国内政治にせよ国際関係にせよ、国家や政府というものはtaka2様が思ってられるような擬人的なものではないんじゃないかと思います。
アメリカという国は大統領制を導入しているので比較的個人に権力とその責任が集約されてはいますが、それでも動く時には制御不能な巨大なマシンのように暴走しているように見えます。
大統領の背後に控える巨大な力をイメージさせてしまうので、批判のターゲットの明確化という役割を担うネオコン神話のようなものも生まれたと思います。
拉致問題の解決には人任せには限度があり、やはり自助努力しかないと思いますよ。
日本としては核武装以前に通常戦力の充実を図り、潜入部隊による人質の奪還が計画されるほどの気概を見せる必要があると思います。
そしてそれが出来ない日本を不甲斐なく思います。
そんなことだから他国の工作に右往左往するしかないのです。
2006/10/22 22:45
sponta様
クラーク氏には自叙伝があるそうです。
それを読んだ人の話だと、その彼自身の経歴回顧にはsponta様の疑問点に対する答えのような「自己認識」がかなりあるそうです。外交官、学者、記者など、あるいはロシア、中国、日本など、幅広い職業の追求、幅広い研究対象の追求ーーー
しかし私は公的立場にある人物が公開の場で述べている発言だけを問題にしていくつもりで、その人物がなぜそういう奇矯なことを述べるのか、その考察は自分の段階に留めておこうと思っています。
2006/10/23 11:10
古森様 たびたびの言及ありがとうございます。
「公開の場で述べている発言だけを問題にしていく」との指針は、極めて合理的だと思います。それが個人非難に帰結しないための最良な策であることも理解します。
とはいえ、クラーク氏、カトラー氏、そして、タイムス記者氏など、さまざなな出自に共通点があるならば、その根幹の誤解を突き止めるのも、ひとつの方法ではないかとも、思っています。
☆
いま日本では、「オーラの泉」という、スピリチュアリズムの番組が話題を集めています。スピリチュアリズムとは、シャーロックホームズの作家であるコナンドイルも研究していたものです。
お化けや怨霊や因縁など、スピリチュアリズムの陰の部分のみ社会で流通していたものが、陽の部分が流通するようになった。これは素晴らしい転機だと思います。
スピリチュアリズムの立場に立つならば、洋の東西もあまり区別がなく、人間は輪廻転生を繰り広げてきたことを知ることができます。
そのような世界観に立ってみると、異国の異人たちも、自分の過去生の住みかや隣人たちだったりする。
勿論、スピリチュアリズムが真理なのか、虚論なのかは分かりません。しかし、そういう思想が世の中をひとつのものとして見る見方、方法を多くの人たちに実感させるならば、けっして悪いことではないと思うのです。
クラークさんもカトラー氏も日本バッシングをしていますが、過去生は日本人だったり…。そんなことも視野に入れながら、お互いの理解を深めていく。そんなことができればいいのですが、言葉の壁、宗教の壁があり、なかなか難しいようですね。
自分の過去生がフランス革命期にあったと感じる私は、インターネットとはアカシックレコードだと思っています。人類の記憶の総合体。そういうもののなかで、一瞬の揺らぎでしかないひとつひとつの言説を大切にしていきたいものです。
ありがとうございました。
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