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中国女性が魅力的になった!?――北京オリンピックの総括(2)

2008/09/09 07:14

 

雑誌『諸君!』10月号の論文の続きを紹介します。

 

                                                    ===============

 

さて北京市街に入ってまず目につくのはピカピカの高層ビル群だった。

 

古ぼけたみすぼらしいビルは減り、ガラス張りの瀟洒な外観のビルが林立している。

 

とくに北京一のビジネス街であるCBD(中央商務区)には、CCTV中国国営放送)本社をはじめ、奇想天外なデザインの近未来型ビルが立ち並んでいた。

 

七年前からの大きな「変化」のひとつである。

 

来年にはアジアで最も高いビルになるという国貿第三期ビル(約三百三十メートル)がもう骨組みを完成させていた。

 

道路の整備も著しい。

 

都心から郊外にかけて同心円状に五本の環状高速道が完成し、非常に便利になった。

 

一般道の舗装も改善され、凹凸で頭を車の天井にぶつけたりすることはまずなくなったようだ。

 

地下鉄も、私の赴任中は二路線しかなかったのが七路線に増え、来年にはさらに二路線があらたに開通するという。

 

全体的な印象として、北京の街並みは清潔感を増した。

 

ただしこうした市街の構造やインフラの変化が大都市としての自然な発展なのか、北京五輪のための急速で過激な政治的意図からの「変化」なのか。

 

識別は容易ではないだろうが、おそらく後者の要因がずっと大きいのだろう。

 

  女性のファッションセンスが非常に洗練されたことにも驚かされた。

 

 失礼ながら、かつての中国人女性の多くは、どうしたらそんな服装でいられるのかと思ってしまうほど野暮ったい格好をしていた。

 

 物腰や立ち居振るいも粗野な感じの女性が多かった。

 

 いわゆるエチケットの面でも、思わず目を背けたくなるような光景に直面することも多かった。

 

ところが今回、女性の身だしなみが格段に向上していたのには目をみはるしかなかった。

 

 思わず、はっとするほど魅力的な容姿や服装の女性たちが颯爽と歩いているのだ。

 

「女性のおしゃれは経済の指標」という説をどこかで耳にしたことがあるが、まさに言いえて妙だと思った。

 

  もうひとつ驚いたのは、日本食ブームである。

 

 かつての中国人には、「日本料理=味が薄くて、まずい」という反応が徹底していた。

 

 中華料理はどんな素材にも火を通すのが常識であるため、刺身をはじめ生ものが多い日本料理は、中国人の味覚には到底受け入れられない、というのが中国側の常識でもあった。

 

 だから北京の日本料理店で中国人同士の客をみることは皆無だった。

 

ところが今回、まず最初に同僚たちに案内された日本料理店は中国人の家族や若者同士の客でいっぱいなのにびっくりした。

 

近年、若者を中心に日本食ブームが広がり、繁華街には日本料理レストランが凄まじい勢いで増えているのだという。

 

「日本食=健康的」とのイメージが拡大したせいもあるだろうが、中国人の若者が好んで刺身や日本風のラーメンを食べる光景は七年前の北京の思い出からは信じられなかった。

 

かつてアメリカ人がおそるおそるスシをつまみ、その美味さに目覚めはじめた頃の様子と重なる状況だと感じた。

 

世界的な日本食ブームがとうとう中国まで席巻したことに、あらためて日本食の素晴らしさを実感した。

 

  また、地下鉄の車内で、若者が年配者に席を譲るという光景も今回初めて目撃した。

 

 席を譲られたのは私と同行していた日本人で、見るからに年配というほどでもない。

 

 かつての中国ではまず考えられなかった現象である。

 

 五輪期間中の一時的現象なのかもしれないが、歓迎すべき変化ではある。

 

(つづく)

           =======   

 

カテゴリ: 世界から    フォルダ: 指定なし

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コメント(23)

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2008/09/09 07:28

Commented by thinking さん

 論文というより随筆風で、今の北京の様子が良く分ります。

 
 

2008/09/09 09:35

Commented by 花うさぎ さん

古森さん

マナー向上という北京五輪キャンペーンのお陰でしょう。

日本食に興味を持ってくれるのは良いのですが、お陰でおいしいマグロは争奪戦ですよ。値段も上がっているし、困ったものです。

一度テレビで中国のマグロを捌く様子を放映してましたが、「おいおい、日本に来て勉強したのか?」というくらい、雑でロスの多い包丁さばきにビックリしたことがあります。

 
 

2008/09/09 09:53

Commented by さくらの こころ さん

返還直前の香港に、住んでいた頃を思い出しました。その当時「なだ万」と言えでも「香港式」和食を提供しており、中国人との味覚の違いを痛感しました。 ただ、富裕層が日本での温泉旅行や料亭を好み、香港で本物の和食を望み始めており、高級ホテルの和食レストランなどが本物志向に転換し始めてました。

それが今では、メインランド(当時中国のことをそう呼んでいました)で富裕層だけでなく若者までに広がったのですね。年をとるはずです…。T_T

話は変わりますが、FOXでマケイン氏の軍人時代ビデオを観たのですが、私がハノイ・ヒルトンで見た写真や所持品などの中にマケイン氏も含まれていたのかと改めて思うと、彼のモットー「Country First」が更に重みを増しました。民主党は「Me First」だと演説で仰ってましたが、思わず膝を叩いて喜んでしまいました。
ペイリン女史の、Changeを自分のキャリアに使う人(オバマ氏)と、自分のキャリアをChangeに役立たせる人(マケイン氏)という演説も正に言いえて妙だと感心しました。

久しぶりの投稿なもので、すっかり長文になってしまい失礼しました。

 
 

2008/09/09 10:03

Commented by yuuitirou さん

民主主義になるためには、強大な悪というのも必要なのですかね?元々民主ならなかなか変われない。でもかの国は民が多すぎる。
 日本も信長のような桁外れの悪が必要なのかもしれません。

 
 

2008/09/09 10:55

Commented by venom さん

>物腰や立ち居振るいも粗野な感じの女性が多かった。 いわゆるエチケットの面でも、思わず目を背けたくなるような光景に直面することも多かった。

私が北京に行ったのは、82年頃、トランジットで2泊しただけですが、商店の店員などでも、ハッとするような美人でスタイルの良い女性が目に付きました。 まだ人民服におかっぱ頭で、化粧っ気のないのがかえって清純そうで、新鮮でした。

ところがその若い女性が、急に店からスタスタ出てくると、道端の下水溝に「カーッ、ペッ」とタンを吐くのにびっくりした記憶があります。 汚い話で申しわけありませんが、北京は乾燥しているし、見ると下水溝は(冬だったので)大勢の人々が吐いたツバがそのままうず高く凍っていました。

日本人との違いに驚きましたが、もちろんそんなことで中国人を馬鹿にするほど、私は偏狭ではありません。 今ではそんな光景も見られなくなった代わり、化粧っ気のない、素朴で清純そうな女性もいなくなったのでしょうね。

 
 

2008/09/09 11:32

Commented by 古森義久 さん

さくらの こころ さん

お久しぶりですね。

香港の「なだ万」には私も何回か行きました。ちょうど返還の時期です。
味についての記憶がなく、値段が高い記憶は鮮明です。

ハノイ・ヒルトンというのは、いまそういう名前のホテルがあるのですか。
マケイン氏が閉じ込められていたのは、特殊な収容所で、比喩的にヒルトンと呼んだというのが私の理解です。

 
 

2008/09/09 11:34

Commented by 古森義久 さん

venom さん

82年の北京をご存知とは、すごいですね。
そのころからの変化は大変なものでしょう。

 
 

2008/09/09 11:35

Commented by 古森義久 さん

thinking さん

私の描写を読んで、北京に行きたいという人が増えるか、減るか、ですね。

 
 

2008/09/09 11:36

Commented by 古森義久 さん

hanausagi さん

そうですか。
中国での消費がマグロの価格をあげているわけですか。

 
 

2008/09/09 13:31

Commented by parkmount さん

To 古森義久さん
>hanausagi さん
>
>そうですか。
>中国での消費がマグロの価格をあげているわけですか。

確かつい最近でしたが、築地で近海物の本マグロを最高値で国内業者ではなく、香港の寿司レストランのオーナーに競り負けましたね。

 
 

2008/09/09 14:35

Commented by へんくつゃ 半睡 さん

古森先生 大変失礼いたしました。
日本語の誤用、誤変換を嘆くを云いながらの失礼をお詫び申し上げます。
火を通したものしか食べない人たちが鮪を大喰いするのですから・・・
外国での日本食・・・怪しい韓国系の日式料理店、何とかならないもので
しょうか?

 
 

2008/09/09 14:42

Commented by さくらの こころ さん

古森義久さん
>お久しぶりですね。
恐縮です。子供たちの長い夏休みを利用して里帰りし、何だかんだとバタバタしてしまって…。日本でも、ここイザでも浦島花子の気分になってしまいました。

>ハノイ・ヒルトンというのは、いまそういう名前のホテルがあるのですか。
外人向けツアーで訪れたのですが、ガイドもツアー客もそう呼んでいるほど、通名になってしまったようです。入る前は本当にホテルにでも行くような(外観がフレンチ様式なので尚更です)騒ぎ振りだった人達が、中に入り進むにつれ無言となり、出てくると別人になっていました。本物のヒルトンもすぐ近くにあり、収容所という実態と俗名を、敢えて掛け離れた象徴として使っているようでした。誤解を招きやすい名称を使い、申し訳ありませんでした。

ところでお寿司ですが、香港人はサーモンの握りが大好物でしたが、今はマグロのトロになったようですね。

 
 

2008/09/09 18:48

Commented by iza-nippon928 さん

古森様
こんばんは。

>思わず、はっとするほど魅力的な容姿や服装の女性たちが颯爽と歩いているのだ…

う~ん、興味をそそられる…

>私の描写を読んで、北京に行きたいという人が増えるか、減るか、ですね…

でも、やっぱりシナには行きたくないですね。日本が一番です。

 
 

2008/09/09 19:41

Commented by ana5 さん

中国女性も歩くとがっかりします
服装が良くなったせいか
気になりますね~

 
 

2008/09/09 20:26

Commented by leny さん

>地下鉄の車内で、若者が年配者に席を譲るという光景も今回初めて目撃した。

こういうのって恐らく「家族」の影響でしょう。「衣食足りて礼節を知る」って言葉がありますから、ある程度以上の所得のある家庭では、「倫理観」が育って来ているのかもしれないですね。

収入が増えても家族としての時間を維持できないまま、家庭崩壊して次の世代が倫理観を失ってしまう、ってパターンもありますが・・・

 
 

2008/09/09 22:12

Commented by 古森義久 さん

さくらの こころ さん

「ハノイ・ヒルトン」については私よりもあなたがずっとたくさんの最新情報をお持ちですね。そうとは知らず、失礼な質問をしました。現状について学びました。

ときどき思うのですが、ここに常識の範疇でコメントを寄せてくださる方の多くは情報や判断において、きわめて優れた人が多く、学ばされることが頻繁にあります。今回もまさにそんな実感でした。

ところで、サーモンの寿司ですが、アメリカ人も好きな人が多いですね。
私はあの脂っこい感じが好きではありません。日本人で鮭の寿司の好きな人は少ないと思うのですが。

 
 

2008/09/09 22:14

Commented by 古森義久 さん

leny さん

若者はなぜ車内で席を譲るのか。
北京でみた若者たちはみな服装もきちんとして、聡明そうな青年たちでした。だから「衣食足りて」の説明も当てはまるかもしれません。
「家族」がどう影響するのか、私にはいまわかりません。

 
 

2008/09/10 00:54

Commented by regoltenes さん

「地下鉄の車内で、若者が年配者に席を譲るという光景」
おもしろい変化ですね。

これとは分けて中国共産党、人民解放軍の言動を見守ることと、
この中国人の若者たちが外国人やいわゆる少数民族に席を譲るかが関心事です。

 
 

2008/09/10 19:01

Commented by ガリガリ君 さん

「若者が年配者に席を譲るという光景も今回初めて目撃した。」

こちらの感想です(反発ではありません)。

来日したばかりの時、日本の電車内で、若者が年配者に席を譲らなかったことにビックリしました。

しかし、私が居た頃の国内のbusの汚さが・・・・・・

 
 

2008/09/11 00:48

Commented by 古森義久 さん

baigudong さん

そうですね。
日本の若者の電車内でのマナーはよくないですね。

 
 

2008/09/11 00:51

Commented by 古森義久 さん

iza-nippon928 さん

あなたのコメントで『1984年』などの著者ジョージ・オウエルの感慨を思い出しました。

多数の外国を訪れ、住み、見聞を広めた末に、結局は自分の国のイギリス、とくにイングランド南部ほどすばらしい場所はない、と宣言した感慨です。

 
 

2008/09/11 00:54

Commented by 古森義久 さん

medic21 さん

韓国系の「日本」料理店はアメリカでも多いですね。

ミネソタ州のセントポールでも先に紹介した「サクラ」の近くに、
韓国系がありました。ラーメンもキムチ味なんていうのがありました。
おいしかったです。
しかし合計としては前者の方に多く行きました。

この種の市場原理が個々の日本料理店の興亡を決めるのでしょうね。

 
 

2008/09/11 00:56

Commented by 古森義久 さん

regoltenes さん

こちらも表面的な一つの小さな事象で全体を判断するようなことはしませんので、ご心配なく。

 
 
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