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オバマ新政権をどう読むか

2008/12/11 15:19

 

 

オバマ次期大統領の閣僚任命がどんどん始まりました。

 

異例のスピードです。

 

歴代の大統領当選者は当選から就任までの2カ月半ほどの期間、次期政権の閣僚らの任命をそれほどは急ぎません。

 

一つには、アメリカの大統領はまだ現職が厳然と存在するという理由もありましょう。

 

しかしオバマ氏はそんな慣例は無視して、超速度で任命を進めています。

 

閣僚級はみな議会の承認を得なければ、就任できません。

しかし民主党多数の議会ではオバマ新大統領の人事案を止めてしまうという見通しはあまり高くありません。

 

さて、こうしたオバマ氏の動きはなにを意味するのか。

 

記事を書きました。

 

ヘッダー情報終了【朝刊 1面】
記事情報開始【チーム・オバマを占う】(1)「変革」から「継続」「ワシントン」依存か

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 「変革」が一夜にして「継続」となり、「反ワシントン」が「親ワシントン」へと一変した-。
米国バラク・オバマ次期大統領の新政権づくりが急速なペースで進む首都ワシントンでは、いまやこんな反応が一気に広まった。

 「変革」と「希望」を一貫したスローガンとして選挙を戦ったオバマ氏は、終盤ではとくに「変革はワシントンからは起きない。

 

 外部からやってくるのだ」と熱をこめ、叫び続けた。首都に長年、築かれてきた既成の政治の体制や概念とは正面から決別するという宣言としてひびいた。

 

 ところがオバマ氏は国防長官にブッシュ政権の現職ロバート・ゲーツ氏を、財務長官にこれまた現政権下の連邦政府機関たるニューヨーク連銀総裁のティモシー・ガイトナー氏を、それぞれ任命した。

 

 少なくとも国家安全保障と経済・財政政策に関しては「オバマ氏は当面、変革ではなく継続を選んだ」(長老政治評論家のデービッド・ブローダー氏)という反応が不満と安堵(あんど)を錯綜(さくそう)させながら渦巻いたわけだ。

 

 オバマ氏が新政権の主要人事として最初に発表したのは大統領首席補佐官へのラム・エマニュエル氏の起用だった。

 

 同氏はワシントンの究極のインサイダーだったからオバマ氏の脱ワシントン宣言をいぶかる声が起きた。

 

 エマニュエル氏は20代だった1980年代からワシントンで民主党政治活動に身を投じ、クリントン政権の大統領顧問などを7年も務めた。

 

 ワシントンの政治ゲームに精通する同氏は度し難い政敵に腐りかけの生魚を箱に入れて送り、威圧して沈黙させたという有名な話もある。

 

 オバマ氏が政権引き継ぎチームの責任者に選んだジョン・ポデスタ氏も70年代からワシントンで民主党議員の補佐官やロビイストとして活動し、90年代はクリントン大統領の首席補佐官だった。

 

 オバマ氏は選挙戦中のレトリックとは対照的にいまやワシントンの既成勢力にすっかり身を寄せたようにみえるのだ。

                   ◇

 ■第3次クリントン政権?

 

 オバマ次期政権は「第3次クリントン政権」になるという皮肉な評もある。

 

 人事面だけみると的外れともいえない。

 

 エマニュエル、ポデスタ両氏に加え、象徴的なのは国務長官に任命されたヒラリー・クリントン氏である。

 

 商務長官に選ばれたビル・リチャードソン氏もクリントン政権の国連大使、司法長官に任命されたエリック・ホルダー氏も同政権の司法副長官、国家経済会議委員長となるローレンス・サマーズ氏も同政権の財務長官だった。

 

 オバマ夫妻が2人の娘を、クリントン夫妻の娘チェルシーさんが通ったワシントンのエスタブリッシュメント向け私立名門校に入れることを決めたというのも、なにやら示唆的である。

 

 ここまでの人事から政策を占っても、上院で最もリベラルとされたオバマ氏の左傾の展望は表面にはなかなか出てこない。

 

  ヒラリー・クリントン氏がイラク攻撃に賛成していたように、次期政権に登用された人たちの軌跡は過激リベラル路線からはほど遠くみえる。

 

  オバマ氏のこうした変身ぶりをどう読めばよいのか。

 

 アフガニスタンなどでの対テロ戦争、イラクの平定と民主化の大詰め、そして米国自体の金融危機、経済不況と、さし迫る緊急課題の数々は次期政権にもまずは継続以外の選択を与えないからか。

 

 そのための民主党の人材といえば、まずクリントン政権を支えた層に頼るほかないからか。

 

 あるいは上院での激しい左傾志向を大統領戦ではすっかり隠したオバマ氏は、この種の変身こそが天性なのか。それとも多様な人材を使いこなし結局は自ら信じるリベラル政策を打ち出すのか。

 

 ワシントンではこのナゾ解きがまだその幕さえ開いていないせいか、なんとも落ち着かない日々が続くのである。

 

(ワシントン駐在編集特別委員 古森義久

 

 

 

 

 

 

 

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コメント(12)

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2008/12/11 15:15

Commented by siegfried さん

 産経には、第三次クリントン政権と書いておられるようですが、顔ぶれがそういうことなのでしょうか。クリントン時代の対日政策は決して良いものではなかったと考えています。アメリカ政治にとって対日関係の重要性は欧州各国とは比べものにならないぐらい低いものかもしれませんが、低く見積もられる日本にとって今後日米関係をいかに有利に保っていくかが大きな課題になりそうです。アメリカをないがしろにすれば国防一つ満足に出来ないヘタレな日本ですから、たとえすり寄りと言われても何とかオバマの目を日本に向けさせる方策をひねり出す必要があります。そういう覚悟が今の政治家にあるのか疑問ですが・・・。

 
 

2008/12/12 08:09

Commented by s-tatsu さん

ガラスの天井を突き破ったナンシー・ペロシは、クリントンの天井に突き当たったフセイン大統領をどうみているのでしょうかね。
いずれにしても、今後は民主党内のパワーバランスにも注目です。
そのあたりのエントリ、また期待しております!

 
 

2008/12/12 09:29

Commented by izatoru さん

チェンジが好きなオバマ次期大統領ですので、大統領選での発言を、チェンジしてしまったかのようです。

 
 

2008/12/13 13:45

Commented by parkmount さん

オバマ氏への「偽装疑惑」の煙りが、そろそろたち始めるのでしょうか。

 
 

2008/12/13 15:19

Commented by tomikyu08 さん

大統領になるまでの言動や、周囲の期待と、就任後の行動が大きく違って驚かされたのは、1958年のシャルル・ド・ゴールのいわゆる「5月13日事件」による大統領就任が有名ですよね。

アルジェリアのフランスからの独立に反対する人々が、自分たちの「希望の星」としてド・ゴールを担ぎ出したら案に相違して、アルジェリアの独立を着々と進めていったので、ド・ゴールは結局OASに何度も命を狙われることになったという・・・

オバマ氏の場合も、イラクアフガニスタンでの戦争、そして恐慌を終わらせるためには、ブッシュのようにある種イデオロギーや原理主義を前面に出すのではなく、リアリストとしてアメリカのおかれた現実に立ち向かうしか道はないんじゃないでしょうか?

 
 

2008/12/15 04:28

Commented by 古森義久 さん

tomikyu08 さん

ドゴールにそんな言動があったのですか。

知りませんでした。

 
 

2008/12/15 04:30

Commented by 古森義久 さん

siegfried さん

第一次、第二次とクリントン政権は二期八年、続きましたが、オバマ新政権に対するいまの「第三次クリントン政権」という形容は、顔ぶれが主体ですね。
クリントン政権を動かした人たちが「昔の名前で」という感じで、ずらりとまた顔を並べつつあるからです。

 
 

2008/12/15 04:31

Commented by 古森義久 さん

s-tatsu さん

民主党内のパワーバランスへの注視は確かに重要ですね。

まずオバマとヒラリーがどんなやりとりをしていくのか。

 
 

2008/12/15 04:33

Commented by 古森義久 さん

izatoru さん

自分の主張を変えることも「変革」なのか、とたしかに問いたくなりますね。

 
 

2008/12/15 04:35

Commented by 古森義久 さん

しゅん さん

いまはなにを断定ふうに述べても、だいじょうぶという日本の論壇なのでしょうか。
格闘技だとひっかいても、つねってもいいという、なんでもあり、ですか。

 
 

2008/12/15 04:38

Commented by 古森義久 さん

parkmount さん

なにが本当の本当なのか。

なにかがどうも、本当とは違う??

表現の難しい違和感とでもいいましょうか。

 
 

2008/12/15 09:04

Commented by tomikyu08 さん

To 古森義久
レスありがとうございます。
>tomikyu08 さん
>
>ドゴールにそんな言動があったのですか。
>
>知りませんでした。

ドゴールは狭い意味での「アルジェリアの独立に反対する」言動は慎重に行わなかったようですが。
今バタバタしておりますので、夕方にでも追加を書かせてください。

 
 
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