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オバマ新大統領は原子力発電や石油開発はどうするのか――バラク・フセイン・オバマの光と影(8)(完)

2008/12/22 08:04

 

 

オバマ次期アメリカ大統領についての論文の紹介です。

今回の分でその紹介は終わりです。

 

 

なおオバマ政権下で日米同盟がどうなるか、などについては以下のサイトに書きました。

 

 

 

 

               =====

 

環境問題に関連してオバマ氏は上院議員としてはアメリカ大陸沿岸海域での石油開発に反対していた。

 

原子力発電所の建設にも難色を示し、従来の禁止令を保つことに賛成するという態度だった。

 

いずれもリベラル派としてのスタンスである。

 

ところが大統領選のスタートで石油の値上がりや全般的なエネルギー不足が問題になると、石油の沿岸開発に対しても、原子力発電所の建設に対しても、態度を軟化させてしまった。

 

 

社会問題でもオバマ氏は妊娠中絶や同性愛結婚には寛容というリベラル派の基本姿勢が明確である。

 

オバマ氏が二〇〇七年九月のアイオワ州での予備選で民主党の他の候補たちと集会の舞台に立ち、アメリカ国旗が掲揚されるのに対し一人だけ右手を胸にあてての敬意の表明をしなかったというエピソードも広範に伝えられた。

 

愛国心というような意識が薄いのだ、という解説がもっぱらだった。

 

これまたリベラル派の特徴だといえよう。

 

安全保障に関してはオバマ上院議員は軍事力増強につながる措置にはいつも反対し、核兵器の廃絶というようなことまで唱えた軌跡がある。

 

大統領候補となってからはイランや北朝鮮の核武装問題に対して、「私自身がアメリカ大統領としてそれぞれの相手国の首脳にいっさいの前提条件をつけずに個別に会談し、問題の解決を図る」と言明して論議を呼んだ。

 

 オバマ大統領がなんの前提条件なしに「無法国家」の北朝鮮の金正日書記らと首脳会談をする、というのである。

 

 これまたリベラル融和外交といえよう。

 

 しかしオバマ氏は全体としては上院議員時代に示してきた超リベラル、左傾斜の政策や主張を大統領選挙では大幅に薄める結果となった。

 

 まだまだ自らをリベラルよりも保守とみなす国民がずっと多いアメリカでは候補者たちは中道からやや保守寄りのスタンスをとらなければ、当選は難しいとされるのだ。

 

 だからオバマ氏も最大限、中道や保守の方向へシフトしたのだといえよう。

 

 ところがそれでもオバマ氏の上院議員時代の明確な左カーブはなお記録に残っている。

 

 ただしその軌跡が大手メディアによって詳しく報じられることがきわめて少ないのだ。

 

 だからその軌跡こそがオバマ氏に関する影となるのである。

 

 本番の大統領選ではそのオバマ氏の超リベラル志向は影のままほとんど光をあびないできたといえる。

 

 だがそれでも本番キャンペーンでは衣の下のヨロイのようにちらつくことはときおりあった。

 

 問題はこんご新大統領としてのオバマ氏がどれだけ本来のリベラル色を打ち出していくか、である。

 

 そうした問題や疑問はオバマ氏の第一の影の生まれや育ちにからむ特性、そして第二の過激派とのつながりが示す特徴についても同様だといえる。

 

 だからこそオバマ大統領の未知の領域はまだまだ広く、その未知が生むアメリカ国民の側の不安もなお根深いといえるのである。

 

          (終わり)

   

          =====

http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/i/90/

          

 

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コメント(11)

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2008/12/22 08:59

Commented by weirdo31 さん

いずれにしてもオバマがホワイトハウスに入って大統領としての執務を開始してからの行動で判断するしかありません。

先週の土曜日の湯浅東京特派員の「海舟びいきは西軍嫌い」に、海舟語録の中にある「ナニ、誰を味方にしやうなどと云ふから間違ふのだ。みんな、敵がいゝ」という勝の言葉の紹介がありました。

そのとおりで、味方を探そうとするから右往左往するわけで、日本の国益、すなわち日本人にとってそのときそのときのベストの政策を追求して行けばいいのです。もちろん、先の悲惨な敗戦の歴史の上に立ってですが。

 
 

2008/12/22 09:18

Commented by 古森義久 さん

weirdo31 さん

おっしゃるとおりです。

ただし言論人の悲しきサガで、どの段階でも将来をみて、その時点での論評をせねばならないこともご理解ください。

 
 

2008/12/22 15:28

Commented by urara225 さん

夢見る福島瑞穂を想起させるリベラル感覚ですね。どちらも弁護士あがりってところまでかぶります。

 
 

2008/12/23 13:35

Commented by parkmount さん

私も何故か、オバマ氏には失礼ですが、日本との関連付けでは「小浜市のオバマ氏」よりも「米国の村山富市」タイプかなっと、今のところ感じています。

 
 

2008/12/23 14:47

Commented by 古森義久 さん

urara225 さん

<夢見る福島瑞穂を想起させるリベラル>
とは、おもしろい比喩ですね。

 
 

2008/12/23 14:48

Commented by 古森義久 さん

parkmount さん

確かにオバマと小浜では、あまりにすべてが異質という感じはしますね。

小浜市が果たして、市の隆盛の一助にオバマ新大統領を利用できるのかどうか。

 
 

2008/12/23 15:46

Commented by parkmount さん

今、古森さんのNikkeiコラムを拝読したんですが、日本にとって喫急に処理しなければならない問題は集団的自衛権や海外派遣恒久法でもなく、自衛隊の軍隊としての地位回復だと感じました。 上記のような国家安全保障のスモール・ピーシズのマイクロ・マネージメントでは、自衛隊内でより大きな混乱をまねき、同時に戦術的な対応は一時的には可能でも、戦略的には我国の安全保障や日米同盟には対処できなくなり、結果的には日米間に大きな軋轢を生み、米国に新しいジャパン・パッシングの誘惑を与えてしまうことになるのではないでしょうか。

 
 

2008/12/23 15:53

Commented by parkmount さん

同時に中共の自衛隊正常化への対日干渉圧力が、遅らせれば、遅らすほど露骨になって来るでしょうね。

 
 

2008/12/23 16:37

Commented by 古森義久 さん

parkmount さん

重要かつ喫急なのは自衛隊の軍隊としての地位回復というのは、まさにその通りだとは思います。
しかしそのためには憲法改正が必要でしょう。
いまそれを口にすることも難しい政治状況です。
それに比較すれば、集団的自衛権の行使は首相の「声明」一つで実現できるし、「恒久法」も現実的な政治アジェンダに乗せることができるでしょう。
悲しい現実かも知れませんが、あきらめるべきだとは思いません。

 
 

2008/12/24 00:39

Commented by kunimamoru さん

こんばんは 古森様
リベラルの特徴である、“夢想”“理想”の観念だけでは国は立ち行かないって事に、実際に大統領になって気付き始めたんでしょうか。そんな雰囲気が最近のオバマ氏には感じられますが、本質迄は変えられないって事でしょうか。

いずれにしましても、現実日本はアジア最大のアメリカの同盟国であります。日本の国益にそぐわないような大統領であるのならば、同盟国ならではの強き助言・牽制をする人(政治家でも、官僚でも)の出現を願ってやみません。

 
 

2008/12/24 09:54

Commented by 古森義久 さん

kunimamoru さん


まあいまの段階では慎重に静観ということでしょうか。

 
 
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